テクノロジー

電気自動車は環境にいいのか?デメリットは?普及の課題は?

投稿日:2017年10月14日 更新日:

フランスとイギリスが2040年までにガソリン車とディーゼル車の販売を禁止する見通しです。いくつかの自動車メーカーでは、電気自動車(EV)の生産・販売に力を入れて行くことを表明しています。

中国も電気自動車の普及に力を入れて行く見通しで、日本メーカーでは日産自動車と三菱自動車、米国ではテスラ・モーターズが電気自動車を生産・販売しています。

電気自動車は本当に環境に優しいのでしょうか?実際に普及して行くのでしょうか?

スポンサードリンク

電気自動車は環境にいいのか?

電気自動車は本当に環境に良いのでしょうか?これも簡単に答えることができないような複雑な問題です。

まず間違いなく良いと言えるのが、排気ガスが出ないゼロエミッション車であるということ。フランスとイギリスが、ガソリン車とディーゼル車の販売を禁止する大きな理由として「大気汚染」があります。

特にディーゼル車は、微小粒子状物質(PM2.5)、窒素酸化物、二酸化炭素の排出が問題で、大気汚染の主要な原因となっています。これらにより多くの人が病気になり、寿命を縮めるなど、多大な社会的コストとなっています。状況は中国でも同様です。

自動車は道路のあるところを走り回り、特に渋滞が激しい都心部では多くの有害な排出物が撒き散らされます。これらがゼロエミッション車である電気自動車では、走行中や停車中には全く排出されないので、道路周辺の大気汚染の改善を劇的に進める効果があるでしょう。

注意しなければならないのは、電気自動車を動かすための電気は、どこかで発電し、送電されて電気自動車に充電しなければならないことです。発電を化石燃料を使って行なっているならば、意味がないのではないかという指摘があります。また送電によるロスもあります。

この点で明らかなことは、太陽光発電、風力発電、水力発電、地熱発電などのクリーンな発電であれば、発電による大気汚染は心配ないということです。太陽光発電や風力発電は、出力変動が問題とされていますが、送電網に電気自動車などのバッテリーが接続されて入れば、それらに電力を蓄えられますので、組み合わせとしても相性が良いです。

つまり、クリーンエネルギーが普及するほど、電気自動車の良さが際立ってくると言えるでしょう。

また火力発電所などで発電した電気を使ったとしても、動き回る多数の自動車からの排気ガスを浄化するよりも、発電所で大量に排出されるガスを浄化する方が集中的に行えますので、効果的に浄化できるでしょう。

送電ロスについては、送電する距離によるのですが、一般的には5%前後のようです。ガソリン車では、ガソリンのエネルギーの最大20%程度しか利用できないのに対し、電気自動車は電気エネルギーの最大80%を利用できることを考えると、火力発電の発電効率と送電ロスを考えても電気自動車の方が効率が良さそうです。

電気自動車の環境へのデメリットは?

フランスやイギリスが表明しているように、ほとんどの車が電気自動車になったとしたら、電気自動車を充電するための膨大な電力需要が発生することになります。これがどのぐらいになるのは、現時点では正確には見積もることができません。また実際に多くの人がどのような時間帯に充電をすることになるかも、まだよくわかりません。

電力重要のピーク時に電気自動車の充電がピークになると電力網への負荷が大きくなります。国ごとにどのような発電方法によって、それぞれどのぐらいの電力を発電しているかが異なるので、それぞれ課題も異なるでしょう。

原子力発電の比率が多ければ、夜間の余剰電力によって充電をすればそれほど問題はないかもしれません。また太陽光発電の比率が高ければ日中に充電をした方が良いかもしれません。

ガソリン・軽油を使って自動車を走行させたことと比べて、火力発電所を増設した場合の方が環境に良いのか悪いのかも慎重に見る必要があるでしょう。それは火力発電・送電の効率と電気自動車の効率のトータルの効率と、ガソリン・軽油で自動車を走らせる場合の効率の比較になるからです。いずれも今よりも研究開発により向上するでしょう。

日本の場合は、人口が減少していきますので、高い確率で電力需要が減少するでしょう。そうなれば新たに火力発電所を増設する必要もない可能性があります。さらにその他の省エネルギー対策・節電、クリーンエネルギーの増強などによって、問題なく電気自動車の増加による電力需要の増加も吸収できるかもしれません。


スポンサードリンク

電気自動車の普及の課題

電気自動車の普及の課題は、現時点では価格もありますが、価格に関しては今後下がっていく可能性が高いです。それよりも難しい課題が、1回の充電で走れる距離を伸ばすことと、充電に要する時間です。

走行距離については、バッチリーを増やせば増やせるのですが、価格が高くなり、重量が非常に増えます。さらに満タンに充電するための充電時間が非常に長くなります。

またバッテリーの性質上、充電して後に走行しなくても、徐々に放電して蓄えた電気がなくなっていきます。さらに充放電を繰り返すほど、バッテリーが劣化し、数年経つと満タンに充電して走行できる距離がかなり減ります。それは電気自動車の中古車などをチェックすれば分かることです。

これらはまだまだ研究開発により改善されていくと思いますが、現在のガソリン車・ディーゼル車と同じように使うにはかなりの性能向上が必要で、正直なところ目処が立っていないと言えるでしょう。

そのため、トヨタ自動車は経済産業省とともに水素を使った燃料電池車の開発が将来の本命との主張を掲げています。海外の電気自動車(EV)シフトは、おそらくハイブリッドカーで先行し、燃料電池車を普及させたいトヨタ自動車への包囲網と考えられます。

水素ガスステーションの整備には莫大な投資が必要であることから、燃料電池車の普及も容易ではありません。特に人口が減少する日本では、日本専用車では自動車メーカーの事業は厳しく、同じ車を世界中で販売しないと価格が下げられません。日本以外の国まで水素ステーションを整備させようというのはさらに難しいことです。

当面はプラグインハイブリッドカー(充電ができるハイブリッドカー)が本命かもしれません。

まとめ

フランス、イギリスが2040年までにガソリン車とディーゼル車の販売を禁止する見通しで、電気自動車へのシフトを予想されています。しかし、まだまだ電気自動車はガソリン車とディーゼル車ほど使いやすくなく、電気自動車のユーザーが増えるほど課題が顕在化してくるでしょう。電気自動車が普及するにはまだまだ課題が多いようです。

自動車に関する記事のまとめはこちらの記事「電気自動車、保険、スタッドレスなど車に関することまとめ」をご覧ください。

スポンサードリンク


-テクノロジー
-,

執筆者:


comment

メールアドレスが公開されることはありません。

関連記事

モバイルルーターのおすすめは?お得な申し込み方法教えます!

スポンサードリンク 多くの人はスマホ、パソコン、タブレットなどでインターネットを利用しています。ある程度以上利用している人ならば、その便利さを知っていますので、もはやインターネット無しの生活など考 …

交通事故死者数は自動ブレーキでもっと減らせる!義務化は2020年!

スポンサードリンク 交通事故の死者数は平成29年には3,694人となり、現行の統計を記録し始めた昭和23年以降最少となりました。多くの人の多大な努力により、交通事故の死者数を減らすことができました …

車のダッシュボードの夏の温度は?置くと危険なものは?

スポンサードリンク 夏の炎天下で、エアコンを切った状態の車の中は非常に高い温度になることは広く知られるようになりました。それでも、毎年、車内に子供を残したままパチンコで遊んでいる親が居て、ニュース …

カーナビの目的地設定を簡単にやる方法を紹介します!

知らない場所に初めて車を運転して行く時に、カーナビは本当に便利です。カーナビが無かった頃は、前日に地図を見てどの経路で行くかを調べ、当日は間違わないように注意して運転していました。 スポンサードリ …

ヒートアイランド現象とその原因と対策 緑化・省エネ

スポンサードリンク 日本は年々暑くなっています。地球温暖化現象については、その科学的な根拠・正当性についてまだ議論されていますが、都市部で観測されているヒートアイランド現象については、ほとんど反論 …

最近のコメント