テクノロジー

踏み間違い防止 トヨタの仕組み インテリジェントクリアランスソナーを体験

投稿日:2018年1月29日 更新日:

最近は高齢者の運転による死亡事故、店舗などの駐車場でのアクセルとブレーキの踏み間違いによる事故が大きく報道されていますので、社会の関心も高まっています。しかし、多少ミスリードされていると感じるのは、高齢者の運転手が他の年齢層に比べて突出して死亡事故を起こす可能性が高いような印象を受けることです。

実は統計的には死亡事故を引き起こす事故は16〜24歳の最も若い年齢層が突出して多いです。運転技術が未熟で、無理な運転をする傾向があるため、このような結果になっている可能性があります。つまり、単純に高齢者に免許を返納させれば良いだけではなく、若者の運転による交通事故を減らす努力が必要です。

そのような点においても、全ての年齢層に効果があると期待されるのがテクノロジーによる交通事故の防止です。その内の一つである「アクセルとブレーキの踏み間違いによる事故」を防ぐトヨタのシステムを体験してきましたので、以下に報告します。

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踏み間違い防止 トヨタの仕組み

トヨタの踏み間違い防止システムの名称は「インテリジェントクリアランスソナー(ICS)」で、踏み間違いサポートブレーキとも併記されています。

現時点では車を運転していて起こした事故の責任は法的に運転者にあり、決して車メーカーではありませんし、テクノロジー的にも完璧ではありません。「サポート」という言葉を用いているあたりにそのような事情が感じられます。

「インテリジェントクリアランスソナー(ICS)」は、超音波センサーを使ったシステムです。プリウスの場合、車両のフロント・リア・サイドに合計12個の超音波センサーが付いています。

従来の車でもコーナー部分に超音波センサーを付けて、車庫入れなどの時に車体を擦る・ぶつけるなどを防止するシステムが付いているものがありましたが、「インテリジェントクリアランスソナー(ICS)」ではセンサーの数・性能を高め、踏み間違い防止システムに活用しています。

超音波センサーは、超音波を発して、物体に当たって反射し、戻ってくる超音波を検知し、距離を測定しています。したがって、透明なガラス窓などでも検出することができるので、店舗前の駐車場などにおいても効果が期待されます。

苦手なのが悪天候などによってソナー付近に氷、雪、泥などが付着するような状況や、土砂降りで雨や水しぶきが激しくソナーにかかる状況などです。これはソナー方式だけでなく、カメラ、レーダーなどのその他のセンシング方式においても同様に難しい状況と考えられます。

またこのようなシステムを搭載した車両が普及すると、駐車場で隣り合うこともあるかもしれませんが、他の車両のソナーからの超音波が近づくと正常に働かないこともあるようです。

トヨタの踏み間違い防止の事故防止効果は?

このように現状では「インテリジェントクリアランスソナー(ICS)」も決して完璧ではなく、これを装備したからと言って、完全にアクセルとブレーキの踏み間違い防止が防げるわけではありません。この点は販売店でも強調していました。

それでは「インテリジェントクリアランスソナー(ICS)」は事故防止の効果がないのでしょうか?

トヨタ自動車によれば次のように説明されています。

インテリジェントクリアランスソナー搭載車の場合、踏み間違い事故は、約7割減少。

実際、駐車場で発生した事故*1*2の内、約2,500件の事故データを調査した結果、インテリジェントクリアランスソナーを搭載している場合、ブレーキとアクセルの踏み間違い事故件数は約7割減少し、後退時事故件数については約4割減少という結果を得ることができました。

*1 アルファード、ヴェルファイア、プリウスについて2016年6月までの18カ月間に駐車場で発生した事故 ※トヨタ自動車(株) Global Newsroom( 2016年12月)
*2保険会社(当該車種約6万台分を契約)によるデータ
http://toyota.jp/safety/parking/?padid=ag461_safety_safety_parking_bt

これは顕著な効果があると言って良い水準です。この説明の文章が短いので、調査内容の詳細が分からないのですが、「事故発生率」を比較して「約7割減少」としています。事故は1件ごとに状況が異なり、同じ事故というものが無いので、難しい統計処理となり、それを一般の人に分かりやすいように伝えなければならないので、このような文章になるのでしょう。

少々残念なのは、「インテリジェントクリアランスソナー(ICS)」があっても防げなかった事故がどのようなものであったのかということについては説明がないことです。しかし、それも共通する多くの状況が抽出されなければ、一つ一つが特殊ケースとなることもあるので、止むを得ないのかもしれません。


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踏み間違い防止をトヨタのお店で体験してみた!

最近は色々な車の安全装備が増えてきていますので、説明を読んだだけでは良く分かりませんし、不安もあります。やはり実際に体験できる機会があれば、積極的に参加して体験するのがおすすめです。

私も、プリウスを購入したトヨタの店舗に、最新の安全装備を体験できる機会があれば連絡してもらうように頼んでおきました。先日、「インテリジェントクリアランスソナー(ICS)」についての体験会があると連絡がありましたので、早速参加しました。

駐車している状態からのアクセルとブレーキの踏み間違いを想定したものですので、店舗の駐車場で行われました。前向き駐車状態で、簡易の車輪止めを置き、車の前に空気を入れたビニール製の壁が設置されていました。

車両はプリウスPHVで、運転席に店舗の店長が乗り、その他の席にお客さんが乗って、体験会が実施されました。まずシートベルトをしっかり締めたことを確認し、ギアをDに入れてそのままアクセルを踏み込むと、少し車が前に動き、インパネに「加速制御中です」という表示がされ、加速されません。この段階で気がついてアクセルを戻せば、衝突が防止されます。

次に簡易の車輪止めを外し、壁に向かってアクセルをベタ踏みします。少し車が前に進んだ後に「ブレーキ」と表示され、自動ブレーキにより停車します。軽い停車の衝撃がありますので、シートベルトをしていないと危険です。

大丈夫と分かっていても、壁に向かってアクセルを踏み込むのはかなり恐怖です。そのため、この体験会を開催するためには、トヨタでトレーニングを受けた有資格者が運転手を務めないといけないルールになっているそうです。

実際に、「インテリジェントクリアランスソナー(ICS)」が作動することを確認できて安心しました。

まだ体験していない方は、自分で体験して納得することをおすすめします。

まとめ

現在、自動車には踏み間違い防止だけでなく、多くの衝突防止・自動ブレーキなどの安全装備が普及し始めています。全ての安全装備に共通することですが、実際に作動するかどうかを自分で試すことは大変危険ですので止めましょう。必ずこのような自動車メーカー・販売店の主催する体験会で試しましょう。

世界中で活発な研究開発が進められている車の安全装置や交通事故防止についてのまとめ記事「車の安全装置・交通事故対策のまとめ」もご覧ください。

高齢者の運転による交通事故統計などは、こちらの記事「高齢者の運転による交通事故の統計 運転免許自主返納など」をご覧ください。

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