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有機ELと液晶の違いと構造は?有機ELの方が薄い?曲がる?

投稿日:2018年2月14日 更新日:

大型の有機ELテレビが、ソニー、パナソニック、東芝から発売開始となりました。各社、液晶テレビも継続して販売しています。有機ELと液晶は何が違うのでしょうか?構造と薄さ、曲げやすさなどについて紹介します。

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有機ELと液晶の違い:構造

ディスプレイとしての有機ELと液晶の根本的な違いは、有機ELは自発光型ディスプレイであり、液晶は非発光ディスプレイであることにあります。

いずれも画面は多くの画素から構成されており、それらを適宜、点滅および調光することで画像を表示します。この画像を形成する部分そのものが自ら光るのか否かにより、自発光あるいは非発光と分類されています。

有機ELの場合、電流を流すことで発光する有機色素が画素部分にあります。サムソン電子などの有機ELパネルでは、赤・緑・青のサブピクセルごとにそれぞれの色で発光する有機色素を塗り分けています。LGの有機ELパネルは、赤・緑・青でそれぞれ発光する有機色素を積層し、全面を白色に光らせ、その上にカラーフィルターを形成することで赤・緑・青のサブピクセルを構成しています。

液晶では、液晶層そのものは発光せず、背面にバックライトと呼ばれる面状に光る光源が配置されています。電圧を印加し、サブピクセルごとの液晶を透過/遮光(ON/OFF)することにより画像を形成します。またサブピクセルごとにカラーフィルターが配置されているので、カラー表示ができます。

ノートパソコン、スマホ、タブレットおよび薄型のテレビなどには、バックライトに導光板と呼ばれる透明な板状の部材が使用されており、エッジ部分に配置されたLEDからの光を広い面全体から取り出します。これをエッジライト式バックライトと呼んでいます。

ダイナミックレンジが広いテレビなどでは、液晶パネルの背面に複数のLEDが配置されていて、画面の明るさに応じて適宜それぞれのLEDの明るさを調節しています。これを直下式バックライトと呼んでいます。

このような構造・方式による違いが、薄型化や曲げに対する特性に影響します。

有機ELは薄い?液晶は?

液晶ではバックライトが必要となりますので(*反射型液晶では必要ありませんが、マイナーな存在のためここでは省略します)、バックライトの構造が薄型化を制限します。エッジライト式と直下式では、エッジライト式の方が薄くできます。

エッジライト式の厚さを制限するのは、LED素子の大きさと導光板の厚さです。小型のものでは0.4mm程度の厚さが限度で、それらに0.1mm程度のシートなどが加わります。大型のテレビなどでは、強度的な観点から厚さ2mm程度のものがほとんどです。

液晶に比べて有機ELでは、バックライトが不要であるため、原理的に薄型化においては有利です。しかし、発光する有機色素が水分、酸素などにさらされると劣化しやすいため、これらの侵入を防ぐバリア層を設ける必要があります。

初期の頃にソニーが発売した有機ELでは、バリア層として厚めのガラスが使用されており、結局、トータルで液晶よりも厚くなってしまいました。その後、スマホ向けの研究開発が進み、SamsungのGalaxyのように液晶と比べても遜色無い薄いものができるようになってきましたが、消費電力が液晶よりも多いケースがあり、その分のバッテリーの容量アップが必要で、スマホとして作り上げた時に必ずしも薄型化における有機ELの構造上のメリットが活かせていないようです。

しかし、大型テレビにおいてはLGから発売されている有機ELは、厚さ約3.9mmという驚異的な薄型が実現しています。これは販売されている液晶テレビと比べても断然薄いでしょう。

薄型の大型テレビは、壁掛けにした時にもっとも長所が活かせます。テレビ台等においた時には、結局は自立させるための台座(スタンド)が必要となりますので、あまり薄型の恩恵が感じられないでしょう。


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有機ELは曲がる?液晶は?

現在、各社が研究開発しているのは「曲げられるディスプレイ」あるいは「曲面ディスプレイ」です。

大型のテレビでは、すでに画面の左右の端部分が手前に近づくように緩やかな曲面のものが登場しています。大きな画面の正面に座っても左右の端の方を見やすくするためのデザインです。

また自動車のインパネ用のディスプレイとして、曲面にデザインされたディスプレイの開発も進められています。

これらはいずれも緩やかな曲面であり(*曲率が小さく、わずかに曲げられている)、曲げた状態で製造され、そのまま使用します。このようなタイプのディスプレイは液晶でも有機ELでも作製可能です。

難しいの大きく曲げたディスプレイや使用時に曲げたり伸ばしたりするディスプレイです。これらのディスプレイでは、液晶に必要なバックライトの設計が難しくなり、圧倒的に有機ELが有利になります。

現状では液晶ディスプレイの製造コストの方が低いので、液晶でどこまでの製品が作れるか挑みつつ、液晶では難しそうな厳しい曲げ条件のディスプレイ用に有機ELの研究開発が進められています。

有機ELテレビについては、こちらの記事「有機ELのまとめ」をご覧ください。

まとめ

現在は液晶がディスプレイの主流ですが、有機ELの本格的な普及が始まっています。それぞれの構造と薄型化、曲げについての特徴について紹介しました。

有機ELテレビと液晶テレビの比較については、こちらの記事「有機ELテレビと液晶テレビの比較 買うならどっちがいい?」をご覧ください。

有機ELテレビと液晶テレビなどの関連記事のまとめは、記事「4Kテレビ・コンテンツ・ビデオカメラと有機EL・液晶・8K放送のまとめ」をご覧ください。

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