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有機EL照明のデメリットは?ディスプレイとの違いは?LED照明と比較して解説!

有機EL

有機ELとLEDは何が違うのでしょうか?またこれらを用いた有機EL照明とLED照明の特徴・デメリットは何でしょうか?

有機ELは、照明だけでなくテレビ、スマホなどのディスプレイとしても普及しています。照明用とディスプレイ用の有機ELは何が違うのでしょうか?

以下に紹介します。

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有機EL照明とLED照明の比較

有機ELとLEDとは?違いは?

有機ELは、有機化合物からなる半導体に電流を流した時に発光する「エレクトロルミネッセンス」を活用した発光素子のことです。

日本では慣習的に「有機エレクトロルミネッセンス」の意味で有機ELと呼ばれていますが、海外では有機化合物からなる発光ダイオードの意味でOLED (= Organic Light Emitting Diode)と呼ばれています。なぜならこれは有機発光ダイオードそのものだからです。

一般にLEDと言えば、無機化合物の発光ダイオード(= Light Emitting Diode, LED)のことを指します。赤色のLEDと緑色のLEDはかなり前に開発されていましたが、1990年代に窒化ガリウム(GaN)という半導体の青色LEDが登場したことで赤・緑・青の三原色が揃い、白色を作り出すことが可能となり、照明への応用が急速に進みました。

つまり、LED照明と言えば無機化合物のLEDを使用した照明器具のことです。照明としては、有機EL照明よりも先にLED照明が普及しています。

LED照明と有機EL照明の特徴

LED照明というと電球型およびシーリングライトを思い浮かべる方も多いでしょう。電球型は従来の電球のような形状で光り、シーリングライトは天井に取り付ける薄型の広い面積部分が光ります。しかし、通常、これらは発光部分の直径が数mm以下のLEDの光を、白色の濁りのある(透明ではない)プラスチック部品で拡散し、広い面積で光るようにしています。

このようにLEDは非常に狭い面積で発光するため、「点光源」と呼ばれ、面状に発光する「面光源」ではありません。しかし、状況によっては視野に入る照明があまりに明るく輝く点光源では、ギラギラして不快になるため、前述のようにプラスチック部品などを用いて視認される発光部分を広げます。つまり、点光源から面光源に変換するわけです。

有機ELは通常、広い面積でLEDに比べるとずっと穏やかな明るさで光ります。薄型である特徴とともに、照明に適した特性として注目されてきました。

有機EL照明のデメリット

有機ELとLEDは同じ発光ダイオードであるにもかかわらず、なぜこのように発光面積が異なるのでしょうか?LEDのように点光源として明るく光る有機EL、あるいは有機ELのように広い発光面積で穏やかに光るLEDはできないのでしょうか?

現時点での有機ELの最大の弱点は、寿命・耐久性です。

有機ELに電流を流して発光させる時に、有機化合物からなる発光ダイオードが少しずつ劣化していきます。電球でも蛍光灯でも、およそ発光する光源は必ず発光しながら劣化していき、いつか寿命を迎えます。

有機化合物の場合、水分・酸素などの影響が大きく、これらの侵入を抑えるための多大な努力をしてきていますが、どうしてもLEDに比べて寿命が短いです。

さらにその寿命は輝度(単位面積当たりの明るさ)と関係があり、多量の電流を流して輝度を高くするほど寿命が短くなります。

つまり、LEDのように狭い面積で光量を稼ぐために輝度を高めると、短時間で使えなくなってしまうため、現実的ではありません。

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LED照明のデメリット

LEDは、耐久性に優れ、狭い面積に多量の電流を流して極めて明るく発光させることができます。原理的には、より広い面積のものを作製すれば、有機ELのように広い面積で穏やかに光らせることができます。

しかし、LEDは高価な結晶を基板として製造されており、さらには基板の大きさに制限があることから、大面積のものをこの方法で作ることが困難ですし、メリットがありません。現在のように点光源として作り、プラスチック部品などで面光源に変換する方が合理的なわけです。

有機EL照明とLED照明の演色性

有機EL照明は演色性が高いことが長所の一つです。このような特性は、お化粧をする場所などでは極めて重要で、メイクアップアーティストなどの現場では高い評価を得ています。それ以外でも食品売り場で食品が美味しく見えるように照明に配慮するなど、様々な色を大切にするところで演色性の高い有機EL照明は評価されています。

LED照明は、従来は演色性が低く、「食べ物が美味しく見えない」などと言われることがありました。その後、改良が進み、現在ではかなり演色性が良くなっています。価格も下がり、低消費電力で耐久性にも優れているため、現在の照明の主役と言って良い存在です。

また有機EL照明は、柔らかい基板上に作ることができるため、曲げられるタイプのものも作れます。これはLED照明にはない特性です。

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有機EL照明は普及している?

有機EL照明は、いくつかのメーカーから販売されていますが、楽天市場やYahoo!JAPANショッピングで検索しても通常の照明器具としての商品がほとんどヒットしないことから、普及しているとは言い難い状況です。

LED照明がかなり普及し、低価格になっていることもその一因と考えられます。LED照明と同じような位置付けの商品として普及させるには、価格・寿命などの点で少なくとも同等のものを作らないといけないでしょう。

むしろ狙いどころは、LED照明では作ることが難しいような商品です。有機EL照明ならば、色々な形で、薄く、曲げられるものが作製可能ですので、単純に部屋の中を明るくするための照明等よりは、デザイン性高い分野で使われていく可能性が高そうです。

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有機ELのディスプレイと照明の違いは?

有機ELのディスプレイと照明のいずれにおいても、有機発光ダイオードが電流を流した時に発光するという点では同じです。違いは、ディスプレイには画像を表示するための画素が形成されているということです。

テレビやスマホ、パソコンのモニターなどのディスプレイは、多数の画素が並んでおり、それらを点滅させたり、調光したりすることで画像を表示します。一つ画素は赤・緑・青の三色のサブピクセルから成っています(*4色のものもあります)。

これらの画素は肉眼では識別できないほど小さく、高精細なものです。さらにそれらを高速で駆動させるために薄膜型トランジスタ(TFT)という半導体が、一つ一つの画素に形成されるという非常に微細で精密な構造になっています。

有機EL照明の場合は、画素を形成する必要が無いため、広い発光面全体に均一に発光層が形成されています。発光層は、赤・緑・青の発光層が積層されており、三色の光を混色して白色を作り出しています。したがって、1個の有機EL照明素子では画像を表示できません(*小さな有機EL素子を並べて精細度の低い画像・文字を表示したり、文字・イラストの形状で発光させる程度のことは可能です)。

有機ELディスプレイでは色域が重要

最先端のディスプレイは、色域を広げる(表示できる色数を増やす)ために、赤・緑・青の三原色の色純度を高める(発光スペクトルの波長幅を狭くする)研究開発が進められています。一方、照明では「演色性(物体を自然光で照らした時の色の見え方を基準とした指標)」の観点から、発光スペクトルを広く連続的なものが望ましいことが分かっています。

つまり、同じ有機ELを用いていても、ディスプレイと照明では、理想とする発光スペクトルが正反対なのです。

まとめ

最近注目されている有機ELのディスプレイと照明、およびLED照明との比較について紹介しました。それぞれの特徴を理解して上手に使いこなしたいですね。

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