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マイクロLEDディスプレイをソニーとサムスンが販売!

投稿日:2018年4月16日 更新日:

液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイの次に来ると言われている最先端のディスプレイがマイクロLEDディスプレイです。性能的には「究極のディスプレイ」とも言われており、現在のディスプレイ分野の勢力図を大きく塗り替える可能性がある技術として注目されています。マイクロLEDディスプレイの動向について紹介します。

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マイクロLEDディスプレイはソニーが先行

マイクロLEDディスプレイとは、小さなLED素子を並べて、それらを一つ一つの画素として画像表示を行うディスプレイのことです。渋谷の駅前の交差点に面したビルの側面にあるLEDディスプレイ、あるいはスタジアムのLEDディスプレイなどの、LEDをずっと小さくして、高精細にしたものと思っていただければ良いでしょう。一般的にはマイクロLEDディスプレイの一つの画素を構成する赤・緑・青のLEDは、それぞれ100ミクロン(=0.1 mm)角以下です(*より詳細な技術的説明はこちらの記事「マイクロLEDの特徴と課題は?市場は大きい?アップルウォッチ?」をご覧ください)。

マイクロLEDディスプレイを世界に先駆けて開発したのはソニーです。米国ラスベガスで開催された「2012 International CES」において「Crystal LED Display」として参考展示しました。これは55型でフルHD解像度(1920×1080ピクセル)のディスプレイで、つまり横方向と縦方向にそれぞれ1920個、1080個の画素分のLED素子を並べたものです。

翌年以降、ソニーから関連の発表はしばらく無く、水面下で研究開発が続けられ、2016年5月にマイクロLEDディスプレイ技術を使った大型のディスプレイ「CLEDIS」(クレディス)を発表しました。これは403×453mm、解像度は320×360ピクセルのディスプレイユニットを配列させて、大型のディスプレイを作るというコンセプトのシステムです。144個並べれば横9.7m、縦2.7mの巨大な8K2Kディスプレイを作ることができます。2017年から発売を開始し、価格は220型の4K×2Kシステムで約1.2億円と言われています(*正確な価格はソニーにお問い合わせ下さい)。

これが製品化・事業化された世界初のマイクロLEDディスプレイで、業界に衝撃が走りました。なぜなら、現在のディスプレイは液晶ディスプレイが主流で、最近、有機ELが急成長し、これらを製造するメーカーが業界の主要な地位を占めていますが、マイクロLEDディスプレイの価格が下落し、本格的に普及が始まったら業界構造が大きく変わってしまう可能性があるからです。

マイクロLEDディスプレイでサムスンが追随

業界に大きな衝撃を与えたソニーのマイクロLEDディスプレイ。現在、ディスプレイ業界トップの韓国サムスンが黙って見ているはずは無く、早速、追随して研究開発を進めました。すでに406インチ・4Kのシネマスクリーンとして韓国内の映画館に納入されています。

さらに米国ラスベガスで開催された「2018 International CES」において、サムスンは146インチ・4KのマイクロLEDディスプレイを「The Wall」という名称で展示し、同社のマイクロLEDディスプレイへの取り組みをアピールしました。大型テレビ用には韓国LGが有機EL(OLED)に注力しているのに対し、サムスンは有機ELの大型化を断念したこともあり、将来はマイクロLEDディスプレイに注力していくものと見られています。

日本経済新聞(朝刊、2018年4月14日)によれば、サムスンは2018年後半に88インチ以上の大型マイクロLEDディスプレイを3000万円前後の価格で発売する見込みです。主に北米や中東の富裕層向けにプロジェクター市場の代替を狙うとのことです。


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中国・韓国・台湾ではMini LEDディスプレイの開発が進んでいる

マイクロLEDディスプレイは、0.1 mm角以下の微細な赤・緑・青のLEDを製造し、それを配列させる工程が非常に大変でコストがかかります。これがマイクロLEDの価格を下げるための課題の一つとなっています。しかし、冒頭で触れたようなビルの壁面などにあるLEDディスプレイと同じようなLED素子を、その技術の延長上でできる範囲で小さくし、素子の間隔を狭くするだけでも、現状のLEDディスプレイよりも高精細のディスプレイを作ることが可能です。これをMini LEDディスプレイなどと呼んで、中国・韓国・台湾では開発が進んでいます。画素の大きさが0.1 mm角以上なので、マイクロLEDと区別してMini LEDと呼んでいるわけです。

Mini LEDでも121インチ・FHDのディスプレイは680万円程度でできると言われ、広い会場でのサイネージ等の用途には十分な画質があります。また0.9 mmピッチでLEDを並べた147インチ・4Kディスプレイも展示されており、着実に技術が進展し、価格も下がっていくと期待されます。

大型のディスプレイはLEDディスプレイが主流になっていくと考えて良いでしょう。

マイクロLEDディスプレイの価格は下がるか?

マイクロLEDディスプレイは、製造コストを下げることが最大の課題です。多くの製品の経験則から言えることですが、まずは製品が発売開始となり、継続して売り続けることができれば、通常は価格が下がっていくものです。その観点からは、まずはソニーが220型の4K×2Kシステムを約1.2億円(*報道等による推測価格です。正確な価格はソニーのお問い合わせください)で
、発売を開始したことは大きいです。

そしてサムスンの記事で報道されている「88インチ以上の大型マイクロLEDディスプレイを3000万円前後の価格」。スペックが分かりませんが、サイズと用途から考えて少なくとも4Kの解像度ではないかと思います。ソニーの価格から考えても、これだけの期間でかなり価格が下がった感があります。

直接的な比較にはなりませんが、例えばシャープは2015年10月30日に業務用の85型の8K液晶ディスプレイ「LV-85001」を実売価格1,600万円で発売しました。2017年6月30日に業務用の70型の8K液晶ディスプレイ「LV-70002」を800万円、2018年12月1日に世界初の8K対応液晶テレビ「AQUOS 8K LC-70X500」を約100万円で発売しました。8Kの液晶テレビとは部材構成もコスト構造も異なりますが、「88インチ以上で3000万円前後」という価格設定は5-6年で1000万円以下が視野に入りそうな出発点です。用途的にはテレビよりもプロジェクターが最も影響を受けそうです。

まとめ

ソニー、サムスンが開発したマイクロLEDディスプレイの動向について紹介しました。ディスプレイの研究開発は熾烈ですね。

マイクロLEDディスプレイについてはこちらの記事「マイクロLEDのことがわかるまとめ」にまとめましたのでご覧ください。

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