小学生高学年になると中学受験のための勉強もかなり忙しくなってきます。そんな状況では、できるだけ要領よく夏休みの自由研究の宿題をやってしまいたいですね。手軽に夏休みの自由研究をやる方法について紹介します。
小学生の夏休みの自由研究の意義
最初に少々難しいことを言いますが、本来「研究」というものは、「世の中の誰もまだやっていないことに初めて取り組んで、わからなかったことを明らかにしたり、創り上げたりするもの」です。
科学技術の最先端の研究成果についての報道を見聞きすればそのこともよくわかるでしょう。
例えばiPS細胞の研究でノーベル賞を受賞した京都大学の山中伸弥先生がなぜ偉大であるかというと、世界で初めてiPS細胞を作製したからです。
存在するかどうかもわからないものを、地道に孤独に研究を続けて、ついに成し遂げたから偉業であるわけです。
したがって、すでに誰かがやったこと、やればどうなるか結果がすでにわかっていることをやることは、本当の意味では「研究」ではありません。
小学生・中学生の宿題として行われる「自由研究」は、本来の意味では「研究」と呼べる水準のものをやることは無理で、教員・学校側もそこまで要求していません。
実際、理工系の大学に進学した学生でも、大学1年生から3年生まで「学生実験」という授業で実験をしますが、これも全ての実験の手順が書かれたテキストがあり、それを見ながら教員の指導の下に実験をするわけです。
大学ではさすがにこれを「研究」とは呼びませんが、重要なことは将来研究開発の道に進む人材を育てる理工系の大学でも、本当の研究をできるようになるように、実験などを通じて「勉強」するわけです。
したがって、小学生・中学生の自由研究は、本当の意味での「研究」と捉える必要はなく、すでに誰かがやったことをやって見て、その根底にある科学などについて少しでも考える機会となれば十分すぎるほどの経験になるでしょう。
また自由研究の内容をレポートなどにまとめることから、事実を客観的に文章で書くことを経験することも大切な経験になります。
小中学校では読書感想文の宿題が出されることが多いのですが、自分の感想や主観を書く文章と、事実を客観的に述べる自由研究のレポートはそれぞれ対極にあります。
国語の授業などでも文学作品を読みながら前者を重視する傾向が強く、実は将来の仕事などでは後者を求められることが多いのに、あまり学ぶ機会がありません。自由研究はそのような意味でも貴重な機会ですの意識して取り組みたいものです。
小学生の夏休みの自由研究のテーマ選び
上で述べた自由研究の意義から考えても、オリジナル研究テーマ・方法を必ずしも自分で考える必要はありません。
インターネット上には豊富な知識を持った方々が作った、自由研究のテーマを紹介した素晴らしいサイトが多数あります。
それらを見て、真似してやれば十分です。将来専門家になる大学生でさえ、卒論テーマは指導教授からいただくのですから。
むしろ子供への自由研究の指導経験が豊富な人が考えたテーマの方が、ほとんど経験がない人が考えたテーマよりも充実したものになることが多いでしょう。
多くの自由研究のテーマ・内容が紹介されていますので、その中から自分の好みに合うものを選びましょう。
小学生の夏休みの自由研究を要領よくやる方法
多くの自由研究のテーマをインターネットなどで見る時に、実際に自由研究を始めた時の状況を想像しながら選ぶと後が楽になります。
ポイントは以下の3つ。
1.準備が簡単
自由研究では、何らかの準備をする必要があります。特に理科系のものはちょっとした道具を揃える必要があるのが普通です。
2.簡単にできて危険ではない
実験などは難易度がいろいろありますので、誰がやってもそれなりにできそうなものならば安心です。
準備から終了までどれぐらいの時間がかかるのかもチェックしましょう。
どこか遠くの場所や特別な場所に行かないとできないようなもなのかという点も、所要時間を考える時には重要です。
3.自由研究の内容についての解説が充実している
自由研究は、最後にレポートの形で内容をまとめて提出しなければなりません。
この時にどれぐらいやり易く、短時間でまとめられるかは、研究テーマの紹介サイトなどにどれだけ詳しく解説が書かれているかに依ります。
理科的な実験であれば、原理(仕組み)などからわかり易くまとめてあるテーマであれば助かります。
一番簡単なのは、学研などの自由研究お助けキットなどのように、道具・解説などがパッケージになっているものを利用することです。
DNAを調べよう (自由研究おたすけキット) [ 学研プラス ]
|
もう少しお金がかけられるようでしたら、理科教室などに参加するのも良いでしょう。
通常は基本的な道具が揃えられていて、所要時間内に終わるようにインストラクターが教えてくれます。
よく探せば、無料あるいは非常に低料金で開催されている場合もあります。
必ずしも夏休みまで待つ必要がなく、そのようなイベントがあれば参加しておいて、夏休みに入る前に自由研究を終わらせてしまっても良いでしょう。
まとめ
1.小・中学生の自由研究は、本当の意味での世界で初めてのことをする「研究」ではなく、すでに誰かがやったことを真似て、それに関する科学などを学べればよいでしょう。研究の内容を文章にまとめる経験も大切。
2.オリジナルの研究テーマを考える必要はなく、経験豊富な人が考えたテーマから選びば十分。
3.準備が簡単で、危険もないものがよく、研究テーマの解説が充実していればレポートをまとめる時に助かります。
*読書感想文の書き方についてはこちらの記事「読書感想文の書き方 小学生・中学生・高校生のためのコツ」をご覧ください。
降水量の目安についてこちらの記事で紹介しています。
コメント