晴れた日ならば、空を見上げれば空の青、夕方には夕日の赤が目に入ります。雨上がりには美しい虹が見られることもあります。見慣れたこれらの風景も「なぜ空が青く」、「夕日が赤く」、「虹が七色」に見えるのかを考えると、何だか不思議ですね。以下に紹介します。
虹はなぜ七色なのか?

虹は雨上がりに見えることがあります。それは空気中に浮かんでいる水滴がプリズムのような役割を果たし、太陽光を分解するためです。したがって、太陽、空気中に浮かぶ水滴、観察者の位置関係によって虹が見えるか否かが決まります。また虹が美しいアーチを描くのも、水滴が丸いことに起因しています。

青空はなぜ青い?

太陽と地球の関係を考えれば、空を明るくする光はすべて太陽から降り注いでいる事が分かります。したがって、空が青く見えるのは、太陽から直進して自分の目に入って来る光ではなく、太陽から自分以外の方向に進んで行った光が散乱し、方向を変えて自分の方へ進んできたものです。水面に石を落とすと、波紋が同心円状に広がって行きます。光の散乱という現象もこれと同様なもので、光が何か小さなものにぶつかると、そこを起点に全方位に光が散っていきます。
晴れた日の空では、大気中の酸素、窒素、二酸化炭素などの分子に光がぶつかって散乱します。これらの分子1個による光の散乱は非常に微弱で、通常目の前にある空気の分子によって散乱された光に気がつくことはありません。しかし、地球の大気圏の厚さは地表から概ね500 kmあり、ここを太陽光が通過する時のトータルの散乱された光の量は、空が青く見える程度の光量があります。
前述ように太陽からの光には、「赤、橙、黄、緑、青、藍、紫」のいろいろな色の光が含まれているにもかかわらず、なぜ空が青く見えるのか?それは分子などの小さなもので光が散乱される場合、短波長の青などの光は、長波長の赤などの光の何倍も強く散乱されるためです。
ちなみに雲は、水滴や小さな氷の粒からできています。これらの粒の大きさは0.003mm~0.01mmで、分子1個の大きさに比べると1万倍以上の大きさになります。水滴や氷の粒程度の大きさになると、「赤、橙、黄、緑、青、藍、紫」のすべての色が強く散乱されるようになります。その結果、雲は白く見えるわけです。厚い雲の太陽と反対側の部分が暗く見えるのは、光が強く散乱されて、太陽が遮られ、通過できる太陽光の光量が著しく減るためです。
夕日はなぜ赤い?

降水量の目安についてこちらの記事で紹介しています。
まとめ
青空、夕日、虹などは、自然が見せてくれる美しいショーです。仕組みを理解すると、スケールの大きさを感じますね。
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