ヒートアイランド現象の仕組みからわかりやすく解説!

ヒートアイランド現象

年々暑くなる日本の夏。これは日本だけではなく、海外でも気温の上昇や北極の氷が溶けるなどの状況が観測されています。諸説がありますが、地球温暖化が進んでいるように感じます。

しかし、日本の都市部の温度上昇については、かなりの割合がヒートアイランド現象によるものと考えられています。ヒートアイランド現象についてまとめてみました。

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ヒートアイランド現象の仕組み!有効な対策は?

ヒートアイランド
郊外よりも都市部の方が気温が高くなる傾向があります。地図上で各地点の温度を色分けした図を作ると、都市部の温度が高いため、島のように見えることがあります。これがヒートアイランド現象と呼ばれる理由です。

都市部の気温が高くなりやすい原因としては、アスファルトやコンクリートなどが多いこと、人口密度が高いこと、エアコンや電気製品からの発熱量が多いことなどが挙げられます。

このように原因はほぼ明らかなのですが、これらを根本的に解決することは容易ではありません。それは便利な現代の生活と直結しているためです。しかし、ヒートアイランド現象による弊害が無視できないものとなり、省エネルギー、緑化などの対策を進める動きがあります。

詳しくは以下の記事で紹介しています。

関連記事:ヒートアイランド現象とその原因と対策!緑化・省エネは効果ある?

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ヒートアイランド現象にはアスファルトとコンクリートが関係している

東京
都市部の道路のアスファルト舗装が、ヒートアイランド現象の原因の1つであることは間違いありません。しかし、多大な労力をかけてアスファルト舗装した道路を、すべて舗装を剥がすということは現実的ではなく、剥き出しの土のままでは土埃なども問題も出てくるでしょう。

この問題を緩和するために、遮熱性の舗装が開発されています。アスファルト舗装がヒートアイランド現象の原因になるのは、太陽光のエネルギーを吸収して温度が上昇するためです。つまり、太陽光のエネルギーの吸収を減らし、アスファルトの温度上昇を抑えられれば効果があると期待されます。

実用化されている遮熱性舗装の1つは、アスファルト表面に遮熱コート剤を塗ったものです。これにより通常のものに比べて真夏の炎天下では10℃以上温度を下げる効果があるとされています。

詳しくは以下の記事で紹介しています。

関連記事:ヒートアイランド現象の対策で舗装を遮熱性にする効果は?


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アスファルトの温度は最高気温より高い!

道路
毎日天気予報で最高気温が報道されています。すでに経験的にご存知の方も多いと思いますが、実際にもっとも気温が高くなる時間に、都市部の屋外で感じる気温はもっと高いです。

これは気象庁の観測点で毎日測定される気温が、気象観測の観点から科学的に意味のあるデータになるように、できるだけ周囲の影響を受けないような方法となっているためです。

アスファルトで舗装された都市部では、直射日光を吸収し、路面の温度が最高気温よりもかなり高くなります。そのような時間帯にアスファルト舗装の上に行くことになる場合は、熱中症に注意した方が良いでしょう。特に小さな子どもの場合は、身体の中心がアスファルトに近いこともあり、影響を受けやすいです。

詳しくは以下の記事で紹介しています。

関連記事:気温とアスファルトの温度の関係は?最高気温よりずっと暑い?

エアコンの排熱が気温を上昇させる

ビル
ヒートアイランド現象の原因の1つが、人口密度の高い都市部での排熱です。

夏場には強い日差しが建物の外壁などを温めます。さらに内部まで日光が侵入しますので、それによる室温の上昇を防ぐために冷房が使用されます。ほとんどの冷房はヒートポンプ式ですので、室内を冷やすために熱を外部へ排出します。人間も発熱していますので、人口密度が高く、多くの人が集まるほど冷房を使うことになり、排熱も増えます。それが都市部の気温をますます上昇させることになります。

冷房による排熱を減らすために、大きな効果が期待できるのが「遮光」です。炎天下の直射日光が当たる場所と日陰の地表面の温度を比較すれば、日光を遮ることで温度上昇を抑えられるのは簡単に確認できるでしょう。

つまり、可能であればビルの外部、難しい場合は窓際の室内側に日光を遮るものを設置するだけで、大幅にエアコンの使用電力を削減でき、排熱も減ります。窓も二重窓や複層ガラスなどにして断熱性を高めればさらに効果がアップします。詳しくは以下の記事で紹介しています。

関連記事:ヒートアイランド現象にはエアコンの排熱も原因!遮光・遮熱は有効!

熱帯夜が増えている!打ち水で気温を下げる!

みなとみらい
ヒートアイランド現象により、都市部の熱帯夜が増えています。日中に建物や舗装などの人工物が温められ、夜間にもそこから熱が放出されるため、気温が下がりにくくなるためです。

熱帯夜により、夜間の就寝中に熱中症になるリスクが高くなります。熱帯夜には熱中症を予防するためにエアコンを使用して室温を下げる必要があります。しかし、エアコンの排熱が周囲の気温を上げる効果があることも知っておくべきでしょう。

日没が近くなったら、自宅の周囲に打ち水をすると、その気化熱によって温度を下げる効果が期待できます。炎天下の際の打ち水は、短時間で蒸発してしまうのであまり効果が無いという意見もありますが、夕方ぐらいからであれば、より長い時間をかけて蒸発しますので、周囲を冷やす効果が持続します。

打ち水で少しでも周囲の温度を下げることができれば、エアコンの排熱量も減らすことができます。詳しくは以下の記事で紹介しています。

都市部を緑化してヒートアイランド現象を抑制する

緑化
都市部でも、日陰や樹々が多い公園に行くと、直射日光が当たる周囲の場所よりは気温が低いことがすぐにわかります。日光を遮るということで気温を下げる効果がありますし、さらに植物の蒸散効果によって気温を下げる効果があります。つまり、緑化によるメリットは非常に大きいわけです。

人間の精神的な「癒やし」という観点でも、植物の効果は大きいです。オフィスなどでも観葉植物が置かれることが多いですし、それが難しい場合は、人工のものが置かれることもあります。

東京都心では、一定規模の敷地において建築物の新築、増築などの行為を行う場合は、緑化を行うことが義務付けられています。そのため最近では屋上や壁面の緑化を行った建物が増えています。このような地道な努力が必要です。

詳しくは以下の記事で紹介しています。

関連記事:ヒートアイランド現象対策として緑化は有効!屋上・壁面緑化!

まとめ

ヒートアイランド現象についてまとめました。地球温暖化の影響も考えられますが、ヒートアイランド現象はもっと狭いエリアでの問題なので、日本としてしっかり対策を進めたいものです。

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