リチウムイオンバッテリーを使っていて、「膨張した！」という報告が多いようです。
実際、私も使っていたリチウムイオンバッテリーのパッケージが膨張してしまったものがあります。リチウムイオンバッテリーから発火した事故も報告されているので、このまま使用してよいのか？どのように廃棄すればよいのか？心配になりました。
以下に紹介します。
リチウムイオンバッテリーが膨張！原因は？
リチウムイオンバッテリーはエネルギー密度が高く、高い電圧が得られる優れた二次電池ですので、広く利用されています。最近のモバイル機器のほとんどには搭載されていて、コンパクトで長時間機器を使用できるのはリチウムイオンバッテリーのおかげと言ってもよいでしょう。
独立行政法人製品評価技術基盤機構（Nite）の調査によると、年々、スマホ、モバイルバッテリー、ノートパソコンのリチウムイオンバッテリーからの火災事故が増加しています。リチウムイオンバッテリーは、活性の高いリチウムと可燃性の有機溶剤をパッケージの中に入れていますので、本質的には危険なものなのです。それを安全に使用できるように、保護回路を内蔵しています。
リチウムイオン電池は、日本だけではなく、韓国や中国の企業が多額の投資をして量産し、価格競争が厳しくなってきました。そのため、ユーザーは安く、高性能なリチウムイオンバッテリーを利用できるようになりました。
しかし、保護回路もコストダウンされ、安全性が低くなったとの見方もあります。また発売後、ある程度経ってからリコールされることもあり、リコールに気づかずに使い続けて火災となった事例も少なくありません。
リチウムイオンバッテリーから火災が発生してしまうのは最悪の状況ですが、それより前にリチウムイオンバッテリーのパッケージが膨張するという報告は多いようです。これは経年劣化により、電池内部の電解質が酸化し、ガスが発生することが主な原因です。その他には、稀に製造時に混入した微量の異物・不純物が原因となった事例もあります。
リチウムイオンバッテリーが膨張したら修理できる？
リチウムイオンバッテリーが膨張してしまったら修理できるのでしょうか？
メーカーでは基本的には膨張したリチウムイオンバッテリーそのものを修理することはなく、保証期間内であれば新品と交換ということになるでしょう。前述のように膨張の原因が経年劣化や異物・不純物の混入であれば、電池の中身をすべて新しいものに取り替えるしか方法はなく、それならば新品と交換してしまう方が簡単で、コストもかからないからです。
私が３年間以上ほぼ毎日使用したモバイルルーターのリチウムイオンバッテリーが膨張し、モバイルルーターの蓋が閉まらなくなりました。メーカーに問い合わせたら、保証期間は１年間ということでしたので交換はしてもらえず、結局ネットショップで同等品を購入しました。
以下はその膨張したリチウムイオンバッテリーです。この方向から見るとよくわかりませんが、厚さが1.5倍ぐらいに膨らんでいます。
なぜならリチウムイオンバッテリーが出火した事例として、外部から大きな力が加わったことが原因となったと分析されているからです。つまり本来の大きさよりも膨張すると、リチウムイオンバッテリーに外力が加わりやすくなりますので、危険度が増します。
また使い続けるとさらに膨張しますので、そうなると電池の内部の構造も破壊され、本来は混ざってはいけないものが混ぜ合わさったり、ショートする可能性もあると考えられます。
リチウムイオンバッテリーが膨張していることに気がついたら、それ以上使用することは避けましょう。
リチウムイオンバッテリーが膨張！捨て方は？
リチウムイオンバッテリーは、普通ごみなどでは出すことはできず、リサイクルとして回収してもらわなければなりません。それが面倒に感じ、いつまでも膨張したリチウムイオン電池をそのままにしたり、あるいは使い続けたりしてしまうこともあるかもしれません。
一番簡単な方法は、近くの家電量販店に行き、リチウムイオンバッテリーのリサイクルBOXに入れる方法です。大手家電量販店の店舗であれば、通常は回収専用のBOXが置いてあり、無料で引き取ってもらえます。店舗によっては回収専用のBOXが目立たない所に置いてある場合もありますので、その場合はお店の人に聞いてみましょう。
まとめ
リチウムイオンバッテリーの膨張の原因とその対応について紹介しました。年々、リチウムイオンバッテリーの出火事故が増えています。膨張するなどの異常を確認したら、すぐに使用を中止し、新しいものに交換しましょう。
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