有機ELテレビ・スマホの比較と消費電力・寿命などを解説!

有機EL

有機ELを搭載したiPhoneが発売され、大型テレビも有機ELを搭載したものがプレミアムラインとして各社から販売されています。有機ELは本格的な普及期に入ったようです。有機ELについてまとめてみました。

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有機ELテレビはどれを選ぶ?

韓国のLGが製造した有機ELパネルを使用して、ソニー、パナソニック、東芝が有機ELテレビを販売しています。最近の家電量販店では、これらの製品とLGの有機ELテレビが並べられています。同じ有機ELパネルを使用していても、これらの製品に違いがあるのでしょうか?有機ELは各社高価格帯のラインアップとして位置づけていますので、すべて4Kテレビです。日本では地デジの放送を視聴することが多いのですが、それらはハイビジョンの画素数の信号で、4Kテレビに表示数ためにはアップコンバートや色調整などのプロセスが必要です。そのため、各社の絵作りの技術・ノウハウが発揮され、同じ有機ELパネルを使用したとしても違いが出ます。以下の記事で紹介しています。

関連記事:有機ELテレビのおすすめは?ソニー、パナソニック、東芝、LGを比較

有機ELテレビは焼き付きは?

有機ELテレビの画質は優れています。特に黒が「真っ黒」に表示できるため、コントラストが高く、メリハリのある映像表示が魅力的です。これは自発光式ディスプレイの特徴で、画素ごとに電流を流し、発光させること、および黒を表示する画素は電流を流さず、全く発光しないことにより実現できるものです。

昔は主流であったブラウン管テレビも、電子銃で蛍光体を励起し、発光させる自発光式ディスプレイでした。またその後に製品が販売されたプラズマテレビも自発光式です。これらの自発光式のテレビでは、同じ映像を表示し続けるとその映像の明るい部分が早く劣化し、均一な明るさ・色の表示をしてもその映像の跡が視認できてしまう「焼付き」が起こることが知られていました。またこれらのテレビも使い続けるほど退色し、鮮やかさが失われてしまいました。有機ELテレビも同様なのでしょうか?

実際、有機ELテレビも日本で販売が始まった頃から「焼付き」のことがよく噂されました。初期の頃の機種はそのような傾向があったようなのですが、モデルチェンジを重ねて改良が進んでいます。本質的に完全に焼き付きを防止することは困難ですが、できるだけ焼付きが起こりにくくする技術的な工夫が導入されています。通常の使い方をして、10年程度焼付きが目立たなければ実用上問題ありませんので、製品的にはそのようなものになりつつあります。詳しくは以下の記事で紹介しています。

関連記事:有機ELテレビは焼き付きが起こるのか?対策は?保証は?


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有機ELテレビの寿命は?

有機ELテレビは自発光式ディスプレイですので、画素ごとに電流を流して発光させています。「有機」というのは、電流を流すと発光する有機化合物を利用しているためです。この有機化合物の発光材料が、発光させるほど少しずつ劣化してしまいます。そのため有機ELテレビが日本で販売された頃に、その寿命を心配する声がありました。実際のところ十分な寿命があるのでしょうか?

発光材料の劣化による「寿命」と似たような話として「焼付き」というものがあります。これは同じ画面を長時間表示し続けることで、明るい部分の発光材料の劣化が進み、画面にその映像と同じような跡が残ってしまうことによります。ここで言う「寿命」は、焼付きとは異なり、画面全体の発光材料の劣化が進み、退色してしまうことです。

有機ELテレビの初期の製品は発光材料の劣化が比較的進みやすかったようですが、技術的な改良が加えられ、現在の製品はかなり耐久性が向上しているようです(*メーカー・機種による差はある可能性があります)。ソニーなどの最新の有機ELテレビは、あまり心配しなくて良い水準になっているようです。詳しくは以下の記事で紹介しています。

関連記事:有機ELテレビの寿命は大丈夫なの?何年使えるか調べてみた!

液晶と有機ELはどっちが低消費電力?

液晶は、2枚の偏光板とカラーフィルター、限られた開口率の液晶セルなどを通して光を取り出していますので、LEDから発生られた光の数%しか利用できていません。それに比べて有機ELは、画素が自ら発光する「自発光ディスプレイ」ですので、原理的にはより高効率のディスプレイになると期待されています。それでは現在販売されている液晶テレビと有機ELテレビの消費電力を比べたら、どちらの方が高いのでしょうか?実は有機ELの方が消費電力が高くなっています。どうしてなのでしょうか?今後も有機ELの消費電力は高いままののでしょうか?以下の記事で詳しく紹介しています。

関連記事:液晶と有機ELの消費電力を比較!どっちが高い?

有機ELと液晶はどこが違う?

有機ELと液晶それぞれでテレビやスマホが販売されています。いずれも美しいディスプレイに作り上げられていますが、これらは何が違うのでしょうか?有機ELは自らが発光する「自発光素子」で、液晶は自らは発光しない「非発光素子」です。この異なる特性が、バックライトの有無といった構造上の違いにつながり、ディスプレイそのものの薄さの限界にも影響しています。有機ELはフレキシブルに曲げられるものが開発中で、その特性を活かした所に用途を広げていく可能性があります。これらについて、以下の記事で紹介しています。

関連記事:有機ELと液晶の違いと構造は?有機ELの方が薄い?曲がる?

有機ELのスマホ用とテレビ用は同じ?

有機ELは、高画質なディスプレイとしては韓国サムスン電子のGalaxyに搭載されています。スマホ用の小型の有機ELは、圧倒的にサムスン電子が強く、AppleのiPhone Xにも搭載されています。また大型テレビ用には韓国LGの有機ELパネルが圧倒的に強く、ソニー、パナソニック、東芝などの日本メーカーもLGから有機ELパネルを購入しています。サムスン製の有機ELパネルとLG製の有機ELパネルはどこが違うのでしょうか?実はこの2つには大きな違いがあります。サムスン製は赤・緑・青のサブピクセルをそれぞれの色に塗り分けていますが、LG製はカラーフィルターを使用しています。これらについては以下の記事に紹介しています。

関連記事:有機ELでiPhone Xにサムスン製、テレビにLG製が搭載!違いは?

ポリイミドフィルムの基板の有機ELが登場!

有機ELは液晶ディスプレイとは異なり、自発光式ですのでバックライトが必要ありません。そのため非常に薄いディスプレイを作ることができる可能性があります。さらに従来はガラス基板が用いられていましたが、徐々にポリイミド製の基板が採用され始めています。ポリイミドは高分子の一種で、フィルム状のフレキシブルな基板です。ガラス基板よりも軽くすることが可能で、スマホなどのモバイル機器の計量化に貢献します。さらに曲げられるフレキシブルな有機ELを作ることもできます。これらのポリイミドを供給しているのが日本メーカーです。以下の記事で紹介しています。

関連記事:有機ELにポリイミドフィルムの基板が使われ始めている!

有機EL基板用ポリイミドの製法

有機ELがスマートホンやテレビなど使われ、急速に普及し始めています。有機ELの基板には従来はガラスが使用されていましたが、スマートホン用などからポリイミドの基板が使用され始めています。

ポリイミドは耐熱性と寸法安定性に優れるポリマーですが、不溶不融であるため工業的な成形加工がし難いポリマーです。そのため基板状に成形するためには、ワニスと呼ばれるポリイミドの前駆体を含んだ溶液を平滑な基板上に広げ、加熱してイミド化反応を進め、残存する溶媒等と除去します。最後に基板から得られたフィルム状のポリイミドを剥がします。

有機ELの基板としてポリイミドフィルムを使用するためには、フィルムの表面の粗さが少なく平滑であること、ダストなどの異物がほとんどないことなどの厳しい要求があります。これらをクリアするために、純度の高いポリイミドのワニスを、有機ELパネルメーカーがその製造工程内で使用し、前述の工程で製造する方法が採用されています。以下の記事で詳しく紹介しています。

関連記事:有機EL基板用ポリイミドはワニスとフィルムがある?

有機ELの製造方法

現在販売されている有機ELディスプレイのほとんどすべては蒸着により製造されています。これは高画質の有機ELディスプレイを製造することができる優れた方法なのですが、減圧してほぼ真空にするプロセスが必要であり、高価な発光材料のロスが大きいことが難点です。そのためインクジェットプリンタと同じような印刷方式の研究開発が進められています。この方式であれば、発光材料のロスは少なくできますし、減圧する必要もありません。材料メーカー、製造装置メーカーなど、多くのメーカーが関わっており、本格的に製造ラインで使用されるようになれば、業界の勢力図が大きく変わる可能性があります。以下の記事で紹介しています。

関連記事:有機ELの印刷および蒸着方式による製造方法の課題は?

有機ELディスプレイと照明

有機ELはディスプレイだけではなく、照明用途としても研究開発が進められています。ディスプレイ用は、画像を表示するために画素を作らなければなりません。それに比べると、照明用では画素を作る必要がなく、均一に発光するようにすればよいので、製造上のハードルは低くなります。しかし、LED照明などの既存の照明と比べて、価格・性能面でメリットをアピールすることが難しく、複数のメーカーで開発・製品化されているにもかかわらず、本格的には普及が始まっていません。有機ELのディスプレイと照明の違いについて、以下の記事で紹介しています。

関連記事:有機ELのディスプレイと照明の違い!LED照明との比較

大学の研究室で有機ELの研究をしているのはどこ?

有機ELは、テレビやスマホのディスプレイとして本格的に普及が始まっています。黒がしっかり引き締まった黒として表示され、メリハリのあるコントラストの高い画像表示ができる点が大きな魅力です。また有機ELは照明としても製品化しています。有機ELはまだまだ研究開発が続いており、さらに性能と製造効率が向上していきます。そのため有機ELはメーカーだけではなく、大学でも研究が進められています。日本の大学では、山形大学と九州大学に有機ELの研究に取り組む有名な研究室があります。以下の記事で紹介しています。

関連記事:有機ELの研究をしている大学の研究室は?山形大学・九州大学

まとめ

有機ELについてまとめてみました。この分野は技術開発競争が熾烈で、進歩も速いので、随時、記事を修正・追加していきます。

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