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マイクロプラスチックによる汚染の影響と対策は?

投稿日:2018年10月6日 更新日:

最近、テレビのニュースなどで「マイクロプラスチック」という言葉をよく耳にするようになりました。小さなプラスチックが海洋に広がり、汚染しているということらしいです。そしてその対策として、スターバックスとマクドナルドがプラスチック製のストローの使用を取り止める計画を発表しています。私達の生活にも影響が出てきそうですので、もう少し詳しく知っておいた方が良さそうです。以下に紹介します。

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マイクロプラスチックによる汚染は広がっているの?

マイクロプラスチックとは、小さなプラスチック製の粒子のことで、一般的には直径5 mmよりも小さいものです。研究者などによっては直径1 mmよりも小さいものなどというように、違う大きさで定義している場合もありますが、学術的な議論をする場合などを除けばそれほど問題なく、通常は「直径5 mmよりも小さいもの」と理解しておけばよいでしょう。

近年の調査によって、マイクロプラスチックが世界中の海洋に広く広がり、その量が着実に増加していることが確認されています。なぜ海洋がマイクロプラスチックによって汚染されてしまったのでしょうか?以下のような汚染ルートが指摘されています。

1.大きなプラスチック材料の分解

大量のプラスチックゴミが海を漂流していることは広く知られています。これらは目で見ればすぐに分かる程度の大きさですが、長時間紫外線にさらされると徐々に分解し、粉々になっていきます。洗濯物を干すために使用するプラスチック製のハンガーなどが、長期間使用するともろくなって折れたりすることと同じ現象です。これがマイクロプラスチックになります。

2.マイクロビーズ

工業用研磨材、一部の洗顔料、化粧品などには、マイクロプラスチックに相当するマイクロビーズが使用されている事が多いです。これらを使用した時に、水で洗い流して下水に流れ込むことがほとんどで、最終的には海に流れ込むことになります。

3.衣類等の繊維

シャツやタオルを長期間使用していると、生地が薄くなっていくことに気がつきます。つまり、使用すると少しづつ生地の繊維が脱落していくわけです。それらが洗濯した時に下水に流れ込み、同様に最後には海に流れ込むと考えられます。

ほとんどのプラスチックは石油系のもので、生分解性がありません。紫外線で粉々になると言ってもそのスピードは遅く、これらの汚染ルートを考えただけでも、現状では海洋のマイクロプラスチックは蓄積し、汚染は深刻なる一方であることがわかります。

マイクロプラスチックによる影響は?

マイクロプラスチックによる海洋汚染が広がるとどのような影響があるのでしょうか?科学的にフェアに言えば、十分に影響が解明されてなく、裏付けができていない状況です。しかし、以下のようなことを根拠として、海洋環境に影響を及ぼしていると判断し、先進国で対策の必要性が訴えられています。

1.マイクロプラスチックが世界の海洋に広がり、増加している
2.マイクロプラスチックは生分解性がないため、長期間滞留する
3.海洋生物がマイクロプラスチックを摂取している

海洋生物にも多種多様です。小さなものでは動物性プランクトンがマイクロプラスチックを摂取します。マイクロプラスチックは消化されませんので、消化管が詰まったり、損傷を受ける可能性があります。動物性プランクトンは、生態系の下部に位置していますので、それらが深刻なダメージを受けると、生態系全体へ影響が及ぶ可能性があります。

マイクロプラスチックには、何らかの添加剤を含んでいるものもあり、また海洋中にある化学物質を吸着する可能性があります。それを摂取した動物性プランクトンを、生態系の上位の生物が順次捕食していくと、化学物質の濃縮されていく、いわゆる生体濃縮が起こる可能性もあります。それは当然のことながら、様々な海洋生物を食べる人間への影響が懸念されます。

(*参考:ウィキペディア マイクロプラスチック


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マイクロプラスチックによる汚染の対策は?

以上の背景を考えると、マイクロプラスチックによる海洋汚染を完全に防ぐには、プラスチックを使わないようにするしかありませんが、それは不可能でしょう。冒頭で紹介しましたように、スターバックスやマクドナルドではプラスチック製ストローを廃止することを発表していますが、できる限りプラスチックの使用量を減らしていくことが有効と考えられます。

またペットボトルのように、使用後の容器を極力回収し、リサイクルすることで、海洋中に流れ込まないようにすることも有効でしょう。

花王などでは、洗顔料、ボディソープなどに使用していたスクラブ剤にマイクロプラスチックに相当するマイクロビーズを使用していましたが、これらを天然由来のものに代替しました。このように生分解されるような成分に替えていく動きも出ています。

また生分解性プラスチックという新しいプラスチックが、化学メーカー各社から研究開発され、製品化されています。現状では価格が高いため、それほど普及していませんが、マイクロプラスチック問題が注目されたため増産を発表するメーカーが増えています。これを機に、多くのプラスチックが生分解性のものに置き換えられていけば、マイクロプラスチック問題の対策としては非常に効果が高いでしょう。

まとめ

最近注目されているマイクロプラスチックについて紹介しました。地球は広いようで、多くの人間・生物が住むには狭いようです。環境のことを誰もが考えないといけない時代ですね。

注目されている生分解性プラスチックについては、こちらの記事「生分解性プラスチックのまとめ」にまとめましたのでご覧ください。

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