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マイクロプラスチックの対策は日本と世界ではどうなるの?

投稿日:2018年11月21日 更新日:

マイクロプラスチックによる海洋汚染が世界的な問題となっています。海水中に浮遊するマイクロプラスチックには多くの有害化学物質が付着し、海洋生物の体内に取り込まれます。さらに食物連鎖により、最終的に人間の体内に侵入してくる可能性があります。多くの国々で対策が検討されています。以下に紹介します。

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マイクロプラスチックへの対策が必要

年間800万トンものプラスチック製の廃棄物が海洋に流出しています(*量についてはいくつかの説があります)。プラスチックは軽く、丈夫であるため、長期間海洋中を浮遊しますが、紫外線を浴びると徐々にバラバラになり、細かくなっていきます。これらは肉眼で見るのが大変なほど小さくなりますが、プラスチックとしての化学構造を保っているため、いわゆる「自然に還った」わけではありません。いくつかの定義がありますが、一般的には大きさ5ミリ以下のものをマイクロプラスチックと呼んでいます。また歯磨き粉や化粧品などに配合されているようなマイクロビーズ(プラスチック製の小さなビーズ)などは、非常に小さいために、下水からそのまま河川を通過して海洋に流れ込みます。これもマイクロビーズとして海洋を漂うことになります。

前述のように大きなプラスチック廃棄物が、紫外線を浴びて粉々になることは良いことのように思われるかもしれません。しかし、海洋に流入してしまったプラスチック廃棄物を回収したり、プラスチック廃棄物が海洋に流入しないように途中で回収しようとすると、あまりに小さくバラバラになってしまうと難しくなることは理解できるでしょう。網やフィルターなどを使って捕集できないためです。特にそれらが化学的に安定で、自然に還らなければ、長期に渡って海洋中に留まり、その量は増える一方になってしまいます。対策を取らずにいると、近い将来に廃棄されたプラスチックの量が、海洋に生息する魚の量よりも多くなると言われています。そのため一刻も早く、有効な対策を実施するために各国が取り組んでいます。

マイクロプラスチックの対策は世界では?

世界はマイクロプラスチックの問題に取り組み始めています。以下、それらを列挙します。

・欧州議会は、使い捨てのプラスチック製食器や綿棒、ストロー、マドラーなどを21年から禁止すると発表しました。

・欧米やアジア、アフリカなど、60を超える国・地域が、有料化や課税、製造・販売・使用禁止という方法でレジ袋を規制し始めています。

・米国のマクドナルドは英国の店舗でプラスチック製ストローを紙製に切りかえました。

・北欧のイケアが20年までに使い捨てプラスチック製品の全廃を発表しました。

・米国のスターバックスは、2020年以降のストロー廃止を発表しました。

・米国のホテル「ニューヨーク・マリオット・マーキース」では、プラスチック製ストローを紙製に切り替えました。

・英蘭のユニリーバは2025年までに、プラスチック製容器をリサイクル・リユースできるものか、堆肥化できるものにすると発表しました。

・スイスのネスレも2025年までにプラスチックを含む包装材料をすべてリサイクルまたはリユース可能なものにすると発表しました。

・世界最大のプラスチックごみ輸入国だった中国が、2018年1月から輸入禁止措置をとりました。日本を含め、先進諸国から多くのプラスチックごみを中国に送っていたわけですが、その品質が悪く、環境に悪影響を与える恐れが出てきたためです。


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マイクロプラスチックの対策は日本では?

日本での動きを以下に列挙します。

・2018年に微細なプラスチック粒子の使用抑制を企業に求める「海岸漂着物処理推進法改正案」が、参院本会議で可決・成立しました。洗顔料や歯磨き粉などに含まれるプラスチック微粒子の製造と販売の自粛をメーカーに求めています。

・ヘネス・アンド・マウリッツ(H&M)は、日本で買い物袋を紙製に切り替え、有料にすると発表しました。

・良品計画も来春開店する「無印良品」で紙製を使うと発表しました。

・すかいらーくHDのガストでは2018年12月からストローの提供を中止すると発表しました。

・セブン&アイ・フードシステムズのデニーズで一部店舗からストローの提供を中止すると発表しました。

・日本KFC、大戸屋HD、ハイアットリージェンシー東京でストローの素材の切り替えを発表しました。

・カネカが生分解性プラスチックの増産を発表しました。

今後、さらにプラスチックの使用を削減する動きは増えて行きそうです。プラスチックごみを減らすためには、プラスチックの使用量を減らすこと、プラスチックをリユースすること、プラスチックを分別回収してリサイクルすることが重要です。日本では、廃プラのおよそ8割(約760万トン)は資源として再利用したりごみ発電に使ったりするなど有効利用しています。残りは単純に焼却したり埋め立てたりしています。世界的に見ても8割を有効利用できているということは優秀なのですが、そもそもの利用量が多いために、適切に回収されずに環境中に放出され、海洋に流れ込んでしまう量も無視できないレベルです。

プラスチックの使用量をできるだけ減らし、適切に処理し、さらに使用するプラスチックを生分解性プラスチックに切り替えて行くことでマイクロプラスチックの海洋汚染の抑制に貢献したいですね。

まとめ

世界的な問題となっているマイクロプラスチックによる海洋汚染問題への対策について、日本および世界の取り組みの一部を紹介しました。環境問題への意識を高め、大切な地球環境を守りましょう。

マイクロプラスチックによる汚染の影響と対策は?」もご覧ください。

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