4K・8K・ディスプレイ

有機ELと液晶のコントラストを比較すると?4K・8Kテレビでは?

投稿日:2019年1月19日 更新日:

テレビ、スマホ、パソコンのディスプレイでは、液晶ディスプレイが主流ですが、有機ELもかなり使われるようになってきました。有機ELは液晶に比べてコントラストに優れると言われていますが、実際のところはどうなのでしょうか?現状と将来性などについて紹介します。

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有機ELと液晶のコントラストを比較すると?

ディスプレイのコントラストとは、一番明るい白を表示した時の明るさ(輝度)を一番暗い黒を表示した時の明るさ(輝度)で割った比のことです。有機ELは自発光型のディスプレイであるため、分母の黒表示の輝度が非常に低い値となり、高いコントラストが得られます。しかし、非常に明るい表示をすると劣化しやすいため、ピーク輝度を抑えめにしています。

液晶は非発光型のディスプレイであるため、液晶パネルの背面側に面状に発光する照明(バックライト)が配置されています。後述するようにバックライトにもいろいろなタイプのものがありますが、スマホなどに用いられている薄型のバックライトでは、液晶パネル全体を均一な明るさで常に照らしています。液晶で黒を表示する時には、偏光板と液晶パネルによってバックライトからの光を遮ります。しかし、実際にはわずかに光が漏れてしまい、完全に遮光することができません。そのため前述のコントラスの分母が有機ELよりも大きくなってしまい、コントラストが相対的に低くなります。反対に輝度を高くしても劣化しにくいために、ピーク輝度は液晶の方が有機ELよりも高くできます。

有機ELと液晶のコントラストはテレビでは?

スマホでは、薄型であることが重要であるために、液晶にはエッジライト式バックライトが用いられています。これは導光板という板状の部材の端にLEDを配置し、そこから光を導光板中に入射させ、広い面から光取り出す方式です。エッジライト式では、基本的には面内を均一な明るさで照らし続けることになります(*複数個配置されているLEDを、部分的にON/OFFし、列状に明るさを調節できるものはあります)。

テレビではスマホよりも奥行方向に厚くすることが許されますので、直下式バックライトを採用しているものがあります。これは画面の真後ろに複数個のLEDを配置する方法です。この方式では、画面に表示する映像によってそれぞれのLEDの明るさを調節することができ、コントラストを向上させることができます。例えば黒を表示する領域のLEDを消すことができるため、エッジライト式よりも黒の輝度を低く抑えることができるためです。この技術をローカルディミングと呼びます。

そうは言っても、LEDの個数を増やすとコストが増えてしまうので、使用できるLEDの個数はほとんどの場合はそれほど多くなく、1個のLEDの担当する面積が案外広くなっています。例えば画面を50分割して、1つの区画を1個のLEDが担当しているとしたら、その区画内の平均的な明るさに合わせてLEDの明るさを調節することになります。LEDの個数が少ないと直下式バックライトでもコントラストの向上が抑えられます。自発光型の有機ELの場合は画素単位でON/OFFできますので、黒表示ではかなり有機ELの方が優れています。


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有機ELと液晶のコントラストは8Kテレビでは?

黒表示では有機ELの方が液晶よりも暗くできます。しかし、液晶でも直下式バックライトのローカルディミングで黒表示部分のLEDを消せば、光が漏れて来ませんのでかなり黒くできます。問題はLEDの個数が少ないために、1個のLEDが担当する区画が広くなってしまうことです。原理的にはLEDの個数を増やせば良いということは明らかです。

そこでソニーは、ハイエンドの液晶テレビに1000個以上(*正確な個数は公表されていません)のLEDを配置したバックライト(「マスタードライブ」と呼ばれています」)を搭載しました。画面を1000以上に細かく分画していますので、映像によってはバックライトの点滅だけでおおよその画像が分かるレベルです。こうなると液晶でも黒表示を暗くすることができますので、コントラストも高くなります。

技術的には8Kテレビが、各社最先端の技術を投入しています。米国ラスベガスで開催された「CES2019」では、ソニーは液晶を使った8Kテレビを公開しました。85インチの大型で、前述のマスタードライブよりもさらに分割数を増やした新規開発のマスタードライブをバックライトに用いています。これにより黒表示はより暗くすることができ、もともと液晶では白表示のピーク輝度は有機ELよりも格段に高いので、有機ELとのコントラストの差は小さくなります。

ある程度明るい環境下では、白のピーク輝度の高さが画質への影響が大きくなります。加えて4K/8K放送では映像信号のダイナミックレンジが広がり、より高い白の輝度表現が要求されます。このこともソニーが8Kテレビに液晶を選択する理由なのかもしれません。

現在、有機ELの黒表示の素晴らしさから、「有機ELの方が画質が高い」とのイメージがありますが、液晶の画質もまだまだ向上しています。楽しみですね。

まとめ

有機ELと液晶のコントラストについて紹介しました。バックライト技術の進歩により液晶のコントラストはまだまだ向上し、より完璧なディスプレイに近づいていくようです。

最新のコントラストが高い液晶の研究開発については、こちらの記事「コントラストの高い液晶テレビはできるのか?普及する?」に紹介しました。

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