量子ドットディスプレイの色域を比較してみる!改善する?

4K・8K・ディスプレイ

液晶ディスプレイの最先端のテクノロジーとして、量子ドットによる広色域化があります。広色域化とは、表示できる色の数を増やすことで、これまでの液晶ディスプレイでは表示することができなかった色が表示できるようになると言われています。実際、どの程度の性能なのでしょうか?

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量子ドットディスプレイの色域を比較してみる!

量子ドットディスプレイは、量子ドット(*直径数ナノメートルの半導体粒子)を含有した部材を液晶ディスプレイに組み込んだものです。現状では、量子ドットを含んだ光学フィルムを、バックライトの出射面に配置し、光源には青色LEDを用いる構成が主流です。青い光が量子ドットに吸収され、緑色や赤色の光に変換されて放出されます。吸収されずに通過した青色と、量子ドットから放出された緑色と赤色の光と合わせて白色になるようにバランスが取れられています。

量子ドットから放出される緑色と赤色の光の発光スペクトルの波長幅が、通常の白色LEDからの光をカラーフィルターで赤・緑・青に分けた後のスペクトルと比較しても狭いため、光の3原色の混色により、色域拡大(表示できる色数を増やす)ができます。最先端の研究開発の成果は、国際会議などで発表されていますが、実際の製品でどのレベルのものが販売できるようになったのかということも確認したいです。

効率の高い量子ドットは、毒性の高いカドミウム(Cd)を含有しているものが多く、製品としては日本では主流になっていません。そのため日本で購入できる量子ドットディスプレイはモニターのみになってしまいますので、これらと日本の他のディスプレイを比較してみます。

量子ドットディスプレイの色域:日本で購入できるもの

以下に日本で購入できる量子ドットディスプレイ(モニター)の色域等を記します。

1.IODATA LCD-PHQ321XQB [31.5インチ]

色域:Adobe RGBカバー率99%、sRGBカバー率100%
最大表示色:10億7374万色
解像度:2560×1440
液晶モード:ADS(Advanced super Dimension Switch)

2.Samsung U28H750 Quantum Dot 28″ UHD Monitor [28インチ]

色域:sRGBカバー率125%
最大表示色:10億色(1 billion)
解像度:3840×2160
液晶モード:TN

3.ASUS ROG Swift PG27UQ [27インチ]

色域:DCI-P3カバー率97%、AdobeRGBカバー率99%
最大表示色:10億7000万色(1.07 billion)
解像度:3840×2160
液晶モード:IPS

上記の3機種のスペックは、それぞれのメーカーの記載を転記しています。そのため、必ずしも記載方法(色域の考え方)が統一されていないようです。

例えば、IODATAのsRGBカバー率100%とSamsungのsRGBカバー率125%については、より正確にはsRGBの領域をすべてカバーしていれば「カバー率100%」とする方が望ましく、100%以上はあり得ません。したがって、この記載だけから、IODATAのモニターの方が色域が狭いとは考え難いでしょう。

このような場合は、より広い色域の規格で見る方が分かりやすく、IODATAとASUSはAdobe RGBカバー率99%となっています。

色数については、IODATAは10億7374万色、Samsungは1 billion、ASUSは1.07 billionと記載されていますが、Samsungはマーケティング的に分かりやすいように「1 billion」としたと考えられ、ASUSにしても同様に小数点以下第2位までにしただけと考えられます。

これらの記載から、3機種ともほぼ同等の色域と考えられます。


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量子ドットを使用していない広色域液晶ディスプレイと比較してみる

以下の製品は、「量子ドット」と記載されていないため、量子ドットを使用していないと判断しています。万が一、表示せずに使用していたらご容赦下さい。

1.LGエレクトロニクス 32UL750-W [31.5インチ]

色域:DCI-P3カバー率95%
最大表示色:約10.7億色
解像度:3840×2160
液晶モード:VA

2.ASUS PA32UC[32インチワイド]

色域:DCI-P3カバー率95%以上、AdobeRGBカバー率99.5%、sRGBカバー率100%、Rec.2020カバー率85%
最大表示色:約10億7374万色
解像度:3840×2160
液晶モード:IPS

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如何でしょうか?量子ドットを使用しなくても、DCI-P3カバー率95%以上、AdobeRGBカバー率99.5%レベルの広色域のモニターは製品レベルで実現可能ということが分かります。同じASUSのモニター同士で比較しても、DCI-P3カバー率でわずかに2%だけ量子ドットを使用した方が色域が広くなりますが、この差を認識できる人はほとんどいないでしょう。

量子ドットディスプレイの色域は改善する?

現状の販売されているモニターでは、量子ドットを使用したものがわずかに色域が広いことがわかりました。この程度の差しかないのであれば、毒性や耐久性、価格等に課題があると言われる量子ドットを使用する理由があまり感じられませんが、量子ドットとはこの程度のものなのでしょうか?

前述のように量子ドットによる広色域化には、量子ドットからの発光スペクトルの波長幅を狭くすることが重要です。スペクトルの波長幅を現在よりも狭くするためには、量子ドットの直径のバラツキをさらに小さくする(できるだけ同じ大きさにする)ことが必要です。これについては、製造工程も改善を進めていくことで、さらに改善していくのではないかと考えられています。

まとめ

現在販売されている量子ドットディスプレイモニターの色域について紹介しました。確かに従来のものと比べて広色域ですが、量子ドットを使用していない広色域液晶ディスプレイと比べて、わずかな差であることが分かりました。今後、さらに色域拡大が進んでいくことと期待されます。

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