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トヨタ自動車はなぜHVだけでなくEVとFCVの開発を続けるのか?

投稿日:2019年5月12日 更新日:

トヨタ自動車は、日本最大であるだけでなく、世界でもフォルクスワーゲングループなどと首位を争う自動車メーカーです。ハイブリッドカーでは世界トップですが、電気自動車や燃料電池車の研究開発も進めています。EVに集中しようとするメーカーが多いですが、なぜトヨタはこれら全ての研究開発を続けるのでしょうか?

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トヨタ自動車はなぜHVだけでなくEVとFCVの開発を続けるのか?

まず従来のガソリン車、ディーゼル車だけでなく、なぜ自動車メーカーがハイブリッドカー(HV)、電気自動車(EV)、燃料電池車(FCV)の研究開発を進めるのでしょうか?その背景の1つには環境問題があります。ほとんどの自動車は、化石燃料を燃焼させて走行します。有限な石油資源を消費し、排気ガスを放出します。かつての日本や他の先進国では、排気ガスによる大気汚染が深刻になり、法規制が設けられ、大気汚染は大きく改善しました。現在は、中国の大気汚染が深刻な状況です。そのため、自動車の排ガスに対する視線はかなり厳しいものになっています。そのため、燃費の改善とゼロ・エミッション・ビークルの普及に、自動車メーカーも努力しています。

世界全体で見れば、まだまだ自動車が増え続けており、膨大な数の自動車が化石燃料を燃焼し、排気ガスを放出しています。世界経済が発展すれば、さらに自動車は増えていくと考えられますので、従来のガソリン車やディーゼル車に比べて、燃費が2倍の車が登場し、消費する化石燃料が半分、排気ガスが半分にできたとしても、世界全体で見れば化石燃料の消費と排気ガスの放出量を減らすことはできないでしょう。そのため、EVやFCVのような化石燃料を燃焼させないゼロ・エミッション・ビークルの研究開発が進められています。

近年、自動車メーカーによる排ガス不正が起こりましたように、法律だけ厳しくしても状況が改善するとは限りません。技術的・経済的に達成可能な目標・スケジュールで、自動車メーカーの努力を促すような政策・法規制が必要です。

トヨタ自動車は、1997年から世界初の量産ハイブリッドカー「プリウス」の販売を開始しました。もちろん、その研究開発は、発売の数年以上前からスタートしています。当時の技術水準やコストから、従来のガソリン車、ディーゼル車よりも燃費を格段に向上させることができる現実的な選択がHVであったということです。その判断は正しく、現在に至るまで状況は変わっていません。

自動車産業は非常に規模が大きいため、経済への影響が大きく、単純な企業間の競争ではなく、国家レベルの戦いの様相を呈すことがあります。現在の日産自動車とルノーのやり取りもその一つです。欧州・中国勢がなどがEVに力を入れるのは、トヨタ自動車があまりにもHVで強いことも理由の一つでしょう。それらの国では、EVが有利になるような法規制が施行されようとしています。その結果として、EVが売れるようになるならば、トヨタ自動車としても販売せざるを得ません。

FCVについては、1次エネルギーから考えた時の日本にとって重要なエネルギー政策と関係しており、日本政府としても将来の水素社会の実現に向けて旗を振り続けています。水素を燃料に利用できるようになり、水素ステーションなどのインフラも整えば、現在のガソリン車と同じような使い勝手(航続距離、充填時間など)になると考えられ、トヨタ自動車も本命視しています。それ故、現在もっとも普及には遠いポジションにありながらも、粘り強く研究開発と製造・販売を続けています。

トヨタ自動車はEVでも主役になる?

日産自動車や米国テスラ、中国BYDなどのように、かなりEVの製造・販売に力を入れているメーカーがあります。初期の頃よりもかなりEVの性能も向上しています。航続距離は、1回の充電で400~500km程度まで伸びていますが、エアコンを使用するとかなり短くなってしまいます。また充電時間も、普通充電で8時間、急速充電で約30分などとなっており、ガソリン車と同等の使いやすさとは言えないでしょう(*車種によってある程度の違いがあります)。

またリチウムイオンバッテリーは、充放電の度に少しずつ劣化していくことが知られています。数年間使用すると、航続距離もかなり短くなってしまうようです。ガソリン車のエンジンの耐久性に比べると劣っていると言わざるを得ません。これはリチウムイオンバッテリーの特性によるものですので、今後大きく向上する可能性があるのでしょうか?

現在公表されている範囲でもっとも期待されているのが全固体電池です。これが実用化すれば、航続距離を2〜3倍、急速充電時間を3分の1にできる可能性があると言われています。また全固体電池では、電解質が高い難燃性と耐熱性を持つため、安全性に優れています。近年、ノートパソコンやモバイルバッテリーのリチウムイオンバッテリーからの出火事故がありましたので、バッテリーの安全性も重要な課題です。

トヨタ自動車も積極的に全固体電池を開発を進めており、これが搭載されるようになれば、EVの使い勝手が大幅に向上しますので、EVの普及が急速に進む可能性もありそうです。


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それでもトヨタ自動車はFCVを本命視している

期待の全固体電池で大幅にEVの魅力がアップしたとしても、充電時間はガソリン車の給油時間ほど短くするのは困難なようです。FCVであれば、問題ありません。

またほとんどの車がEVになった場合に、大量の電気が必要になるわけですので、それをどのように発電するのかも重要になります。火力発電などで化石燃料を燃焼させて発電してしまったら、ガソリン車とあまり変わらなくなってしまうでしょう。

FCVもどのようにして水素を作り出して、それをFCVに充填するのかによります。日本が構想する水素社会では、よりクリーンな方法で水素を創り出す方法を検討しているようです。

いずれにしても、クリーンな発電で得た電力を使用してEVを充電したり、水素を作り出せば、環境的には理想的です。

このような優れた特性から、トヨタ自動車はFCVを本命視しています。今後は、海外諸国を巻き込み、仲間を増やしていくことが重要となるでしょう。

まとめ

「トヨタ自動車はなぜHVだけでなくEVとFCVの開発を続けるのか?」について紹介しました。地球環境のためにも、早くゼロエミッションビークルが普及して欲しいですね。

HVとPHVとEVとはなんだかややこしいですね。こちらの記事「HVとPHVとEVの違いは?おすすめは?」で紹介しています。

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