4K・8K・ディスプレイ

量子ドットLED技術「QLED」とは?TCLが4Kテレビを日本で販売!

投稿日:

液晶ディスプレイなどに用いられる技術として、量子ドット関連技術が複数提案され、注目されています。そのため量子ドット関連技術の名称もいろいろなものが使われており、混乱しやすいですね。量子ドットLED技術「QLED」というものが発表されました。以下に紹介します。

スポンサードリンク

量子ドットLED技術「QLED」とは?TCLが4Kテレビを日本で販売!

2019年8月29日に株式会社TCLジャパンエレクトロニクスのサイトで以下のように発表されました。

「量子ドットLED技術「QLED」を採用した4Kテレビなど3シリーズ7機種をリリース

日本市場への本格参入にあたり、量子ドットLED技術「QLED」を採用した4K Androidテレビを含む、4K対応テレビ3シリーズ7機種を2019年9月20日より順次発売します。」

量子ドットLED技術「QLED」とは何のことでしょうか?「量子ドット」や「LED」、「QLED」という言葉はそれぞれ使用されていますので意味は分かりますが、「量子ドットLED技術「QLED」」と連続して表記されると、思い浮かぶものが複数ありますので、自信を持っていずれかに特定することはできません。

「量子ドットLED」と言えば、学術的には量子ドットを発光ダイオード構造にした「QLED」を指します。しかし、通常の青色LEDの発光面の上に量子ドットの層を配置したタイプも発表されていますので、それを意味するようにも感じられます。このタイプは「QLED」とは呼びません。一般的には「QLED」はサムスンが自社の液晶テレビのバックライトの上部に量子ドットフィルムを配置したものを、マーケティング的な意図でそのように呼び始めたことで広まりました。これらのどれかを意味しているように感じられます。

正解は、TCLジャパンエレクトロニクスのサイトで、同社の4K液晶テレビのフラッグシップモデルであるX10シリーズの商品説明を読むと分かります。バックライト上部に量子ドットフィルムを配置したタイプで、サムスンの「QLED」と同じ方式です。これがいよいよ日本で本格的に販売開始となります。

量子ドットLED技術「QLED」を採用したTCLの4Kテレビは何がすごい?

このニュースの注目すべき点は2つあります。1つは、量子ドットを搭載した大型4Kテレビが日本で本格的に販売開始となること。もう1つは中国のテレビメーカーであるTCLが本格的に日本のテレビ市場に参入することです。

量子ドットを搭載した大型液晶テレビは、ソニーが2013年に販売しました。これはエッジライト式のバックライトの入光部に、ガラス管に封入した量子ドットを配置したタイプでした。後継モデルからはソニーは液晶テレビで量子ドットを使用していません。現在は、いくつかのモニターで量子ドットフィルムを使用したものが販売されていますが、大型液晶テレビではありません。そのような状況の下、TCLの「QLED」が販売開始となることは注目に値します。

量子ドットを使用する最大の理由が「色域の拡大」です。現在日本で販売されている液晶テレビの中で、もっとも広色域の液晶テレビとなることはほぼ間違いないでしょう(*まだ詳細なスペックがわかりませんが、すでに海外で販売されているTCLのQLEDからそのように推測できます)。この点が評価されて日本で販売を伸ばすことができるのか注目です。

またTCLは、世界のテレビ市場において、サムスンとLGに次いで第3位のシェアを持っています。そんな強豪が日本のテレビ市場に本格参入してくるわけですので、これも注目でしょう。すでに中国のハイセンスが参入しており、さらに東芝映像ソリューションの95%の発行済株式も保有し、東芝レグザブランドも手に入れています。ハイセンスは着実に画質を向上させ、低価格を武器に売れ始めているようです。TCLはどの程度の売上となるのか、日本メーカーは戦々恐々でしょう。


スポンサードリンク

量子ドットLED技術「QLED」の課題は?

ディスプレイの国際会議などで、TCLが発表している内容によれば、量子ドットフィルムを用いた同社のQLEDの色域は、現在販売されている液晶テレビの中でトップクラスの広色域です。それでも4K/8K放送の色域であるRec.2020の色域をカバーすることはできません。Rec.2020の色域をすべてカバーしようとすると、現在知られている技術からは、RGBそれぞれの色のレーザーを使用する方法しか考えられませんが、コスト的に高くなってしまうので、液晶テレビとしては販売されていません。

また現在使用されている液晶ディスプレイの広色域化技術として、KSFという赤色蛍光体を使う方法があります。量子ドットを使う方法は、KSFを使う方法よりは広色域化が可能なのですが、その差はあまり大きくありません。普通の人ならば表示する映像にもよりますが、ほとんどわからない程度の差でしょう。

また量子ドットには、毒性が高いカドミウムが含まれており、これを規制値より低濃度になるように工夫して使用しています。TCLは、毒性の課題の解決とさらなる広色域化のために、ペロブスカイト系の量子ドットの開発を続けていますが、効率や耐久性の課題がクリアできず、まだ製品では使用されていないようです。しかし、まだまだ性能向上の余地があるとしています。

まとめ

TCLジャパンエレクトロニクスが、量子ドットLED技術「QLED」とともに日本のテレビ市場に参入すると発表しました。日本市場に受け入れられるのか注目です。

スポンサードリンク


-4K・8K・ディスプレイ
-,

執筆者:


comment

メールアドレスが公開されることはありません。

関連記事

8Kテレビの価格は?シャープとパナソニックの場合

スポンサードリンク BS・110度CSによる4K・8K実用放送の開始に合わせて、8Kテレビの販売が始まっています。ブラウン管から始まったテレビ放送がハイビジョンの地デジ放送になり、ついに最高峰の8 …

マイクロLEDディスプレイと有機ELはここが違う!

スポンサードリンク 有機ELがiPhone Xやソニー、パナソニック、東芝の大型テレビ、Apple Watchに搭載され、本格的に普及が始まりました。ディスプレイはまだまだ進化しています。 現在、 …

4Kブルーレイとは?ブルーレイとの違いは?

スポンサードリンク 美しい映像が見られるということで、最近、4Kブルーレイが注目されています。4Kテレビが普及し、ディスプレイの性能が高くなって来ましたので、ディスプレイに映すコンテンツのクオリテ …

マイクロLEDの特徴と課題は?市場は大きい?アップルウォッチ?

スポンサードリンク 液晶が普及し、最近は有機EL(OLED)がiPhoneなどのスマホや大型テレビにも普及し始めています。日本の大手電機メーカーが急速な液晶の価格低下で業績不振に苦しみ、その強力な …

有機ELと液晶はどっちがいい?徹底比較のまとめ!

スポンサードリンク 液晶は本当に高画質になりました。テレビやスマホなど、美しい映像が楽しめます。そして高コントラストの息をのむような映像を楽しめる有機ELも普及し始めています。どちらを選べば良いの …

最近のコメント