シャープが初めての4K有機ELテレビを発売!なぜ今参入?

夜景 4Kテレビ・ビデオ

2020年5月23日に、シャープが初めて4K有機ELテレビを発売します。世界で初めて本格的な液晶テレビを発売し、液晶に注力してきたあのシャープが、有機ELテレビを発売する状況となったのは、現在の業界の状況を象徴しています。さらに詳しく紹介します。

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シャープが初めての4K有機ELテレビを発売!

シャープの発表によれば、2020年5月23日に発売するのは、65V型の4T-C65CQ1および55V型の4T-C55CQ1という4K有機ELテレビです。価格は以下の通りです。

このシリーズは、「4K有機EL」と名付けられ、シャープの液晶テレビで長年使っている「AQUOS(アクオス)」のブランド名は付けられていません。「アクオス=液晶テレビ」として同社を象徴する商品であったため、アクオスという名前に強いこだわりがあるようにも感じます。スマホの「アクオス」には、有機EL搭載モデルはありますが、テレビの「アクオス」は聖域なのでしょう。

シャープからの公式発表は無いようですが、2020年1月25日の日本経済新聞のサイトに掲載された記事によると、有機ELパネルは「韓国のLGディスプレーから調達する」と報じられています。

現時点で、大型テレビ用有機ELパネルはLGディスプレーがほぼ独占的に供給し、ソニー、パナソニックなどの日本の大手テレビメーカーもLGディスプレーから調達しています。最近は、それぞれのメーカー向けにLGディスプレイが有機ELパネルをカスタマイズしていますので、同じLGディスプレーから調達してもまったく同じではなく、何らかの違いがある可能性が高いです。

大型テレビ用有機ELパネルでは、製品レベルでは赤・緑・青の発光層を積層し、白色を作り出した上でカラーフィルターを通過させてフルカラー表示をする方式のみが事業化されていますので、おそらく同様の方式と考えられます。

シャープ初の4K有機ELテレビの画質は?

コントラスト

有機ELパネルをテレビですので、先行して発売されている競合メーカーと同様に、黒らしい黒を表示でき、高いコントラストとなるでしょう。もちろんHDR対応(HDR10 / HLG / Dolby Vision)です。

また有機ELパネルの輝度性能を最大限に引き出す独自制御技術「Sparkling Drive」を搭載しています。

画像処理エンジン

8K高画質技術を応用した新開発4K画像処理エンジン「Medalist S1」を搭載しています。これにより、様々な画像におけるコントラストが制御され、メリハリのある表示が可能となっています。色表現については、パネルの色域を最大限活かすカラーマネジメント技術と10億色以上の色を再現する階調書き分け能力により、自然で豊かな色を表現します。

さらに高精細「4K Master アップコンバートプロ」により、精細度を高めて画像表示できます。もちろん倍速駆動ですので、動画表示にも強いです。

このように画像処理エンジンの性能は、各種機能に影響しますので、新開発の画像処理エンジンの搭載には期待したいです。


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シャープがなぜ今有機ELテレビに参入?

シャープが世界で初めて本格的な液晶テレビ「アクオス」を発売したのが2001年です。その後、国内のテレビ市場ではブラウン管テレビから液晶テレビにシェアが移り、シャープは大きなシェアを獲りました。英調査会社のIHSマークイットによると、金額ベースでは2018年は25.8%と首位でしたが、19年1~9月期にはソニー、パナソニックに次ぐ3位(22.2%)に下がりました。高価格帯で苦戦したことがその原因です。

高価格帯のテレビと言えば8K液晶テレビと4K有機ELテレビで、シャープが販売する8K液晶テレビよりも、ソニーとパナソニックが販売する4K有機ELテレビの方が売れたということです。

シャープは、長年の液晶へのこだわりから、自社グループ工場で生産できる8Kテレビ用液晶パネルを使って8K液晶テレビの販売に注力し、競合他社が4K有機ELテレビを販売したのにもかかわらず、数年間参入しませんでした。もともとアクオスユーザーは多かったので、シャープが有機ELテレビをもっと早く発売すれば、シェアをキープできた可能性が高いですが、そのような判断をしませんでした。そして、シェアが3位に下がったことで満を持して参入したようです。

もともと技術力はありますので、有機ELテレビに参入しようとすればできたのですが、自社グループ内に巨大な液晶パネル工場を保有していますので、外部からパネルを調達しなければならない有機ELテレビに参入したくなかったのでしょう。一つには、有機ELテレビのシェアが増えることで、液晶テレビの販売台数が減少し、自社の液晶パネル工場の稼働率が下がることは避けたいということがあったのかもしれません。

しかし、現在業界で起こっていることは、中国勢による液晶パネルの大量生産と価格の急落です。中国メーカーの参入により、液晶テレビの価格も下がっています。その結果、世界トップレベルであった韓国のサムスンとLGでさえ液晶パネルとテレビ事業が赤字になり、液晶パネル事業から撤退することを表明しています。

それでも世界のテレビの販売台数のほとんどが液晶テレビであるため、液晶テレビを販売しないわけにはいかず、液晶パネルを外部調達してテレビの製造を続けています。それでも韓国勢の事業の中心は有機ELに移り始めています。

つまり、シャープとしては、国内シェア奪還のために有機ELテレビに参入することになったと考えられますが、利益を上げることが難しくなる液晶パネル・テレビ事業のためにも必要なことであったのかもしれません。

まとめ

シャープが初めて発売する有機ELテレビについて紹介しました。業界の厳しい状況が垣間見えます。

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