「降水確率50%」とはどのような意味なのでしょうか?
「雨が降るのか降らないのかよくわからない!」という意味のようにも感じてしまいますね。
降水確率の正確な意味をわかりやすく解説します。
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降水確率50%とは?わかりやすく意味を解説!
確率というのは一般にわかり難いのですが、天気予報の降水確率50%(パーセント)というのも理解が難しいですね。降水確率の意味については後述しますが、まず降水確率50%について解説します。
気象庁でこの降水確率をどのように決めているのかというと、過去のデータに基づいて決めています。最先端の人工知能やシミュレーションで決めているわけではありません。
過去に同じような気象状況となった時に、「何回中何回雨が降ったのか」を調べ、統計処理により確率を計算しています。つまり、経験則で確率を決めているわけです。
したがって、降水確率50%とは、過去の同じような気象状況のデータを調べたところ、100回中50回の確率で1mm以上の雨(あるいは雪)が降ったということを意味します。
考え方としては、天気予報で「降水確率50%」と言われたら、100回中50回は雨が降ると考えて良いでしょう。
後述するように明日の天気は、0時-6時、6時-12時、12時-18時、18時-24時の4つの時間帯に分けて、降水確率が出されます。「6時-12時」と「12時-18時」の両方に降水確率50%と出され、この両方の時間帯に屋外に出る可能性があるとすると、両方とも晴れて雨が降らない確率は50%✕50%=25%しかありません。
つまり、これら2つの時間帯のいずれかまたは両方で雨が降る確率は75%になります。このように考えると、降水確率50%で6時-12時、12時-18時の時間帯に出ていたら、傘を持って行くべきでしょう。
確率の話ですので、もう少しわかりやすく場合分けして説明します。
パターン | 6時-12時 | 12時-18時 |
1 | 雨 | 雨 |
2 | 雨 | 雨が降らない |
3 | 雨が降らない | 雨 |
4 | 雨が降らない | 雨が降らない |
「6時-12時」と「12時-18時」の時間帯に雨が降る場合と雨が降らない場合を考えると、表のようにパターン1〜4までに場合分けできます。それぞれの時間帯で降水確率(雨の降る確率)が50%ですので、パターン1〜4が起こる確率はすべて同じです。
4つのパターンが全て同じ確率で発生するわけですので、その中のどれかになる確率は4分の1となり、25%というわけです。
雨が降らないのはパターン4のみですので、パターン1〜3になる確率は75%となります。したがって、「6時-12時」と「12時-18時」のどこかで雨が降る確率はそれぞれの時間帯で「降水確率50%」でもトータルでは75%となります。
降水確率の考え方と決め方
降水確率とは、文字通り雨の降る確率を表すものなのですが、正確にはもう少し条件を加えなければなりません。
気象庁では予報区というもので全国を区分しています。この予報区ごとに降水確率を発表するのですが、その意味は「予報区内で一定の時間内に1mm以上の雨または雪が降る確率」となります。
予報時間区分は、0時-6時、6時-12時、12時-18時、18時-24時の4つ分けられており、それぞれの時間帯ごとに降水確率を出すことになっています。また週間予報では、2日後~7日後までは24時間単位で降水確率を出します。
降水量1mmの雨は、霧雨程度ではなく、一般的な感覚としては「雨が降っている」という状況です。屋外を歩くならば傘などの雨具が必要です。降水量の目安については、こちらの記事「降水量の目安!雨1mmはどれぐらい?基準と測り方も解説します!」で紹介しましたのでご覧ください。
確率は、前述のように過去のデータに基づいて決めます。スーパーコンピューターなどによるシミュレーションなどを使って計算するわけではないのがちょっと意外な気もしますね。
降水確率0%ならば絶対に雨は降らない?
降水確率0%と発表されることがありますが、0%ならば絶対に雨は降らないのでしょうか?実はそうとも言い切れません。
降水確率を算出した後、1の位を四捨五入して最終的には10%刻みで数値を発表することになっているからです。つまり、降水確率0%とは、降水確率0〜4%を意味します。
したがって、降水確率0%と発表されても、最大4%の確率で雨降る可能性があるわけです(*四捨五入する前の計算値によります)。また前述のように降水量1mm以上の雨が降る確率ですので、降水量1mm未満の雨は確率に含まれていません。
さらに言うと天気予報ですので、どうしても外れてしまうこともあります(*これを言うと身も蓋もないですが・・・)。それだけ天気を予測するのは難しいということを理解し、気象庁や天気予報士に苦情を言うのは止めましょう。
降水確率100%ならば絶対に雨は降る?
降水確率100%ならば絶対に雨は降るのでしょうか?これは高い確率で雨となると予想されますが、それでも降水確率100%でも雨が降らなかった例はあります。したがって、絶対に雨が降ることを保証するものではありません。
また前述のように気象庁は予報区ごとに降水確率を出します。その予報区のどこかで雨が降れば降ったことになります。つまり、同じ予報区の中で降らない場所と降る場所が存在する可能性もあるということです。
したがって、必ずしも自分の居る場所で雨が降るとも限らないということは理解しておいた方が良いでしょう。
自分のいる場所の現在から数時間後の降雨予想については、雨雲レーダーを利用すると便利です。予報区全体の降水確率よりも、もっとピンポイントで雨の降る場所と時間を知ることができます。
降水確率と雨量は関係ない
例えば「降水確率90%」というと大量の雨が降るような印象を受けますが、この数値は確率を表すものですので、雨量とは関係ありません。ただし、前述のように降水確率で意味する「雨が降る」とは1mm以上の雨が降ることですので、「1mm未満の雨ではない」ことではあります。
同様に降水確率30%ならば小雨という意味でもありません。雨の量については降水量を確認しましょう。降水量については、前述の「雨雲レーダー」を見ることのできるアプリ内にあるアメダスの予報で確認できます。無料のアプリですので入れておいた方が良いでしょう。
天気予報の時々・一時・のちとは?
天気予報を聞いていると、「曇り時々雨」、「曇り一時雨」、「曇りのち雨」などの表現が使われます。これらもわかるようなわからないような・・・。正しい意味を把握しておきたいので、以下に解説します。
曇り時々雨
雨が断続的に降り、その雨が降る時間の合計が予報期間の2分の1未満である場合に使います。予報期間は、明日の予報の場合は24時間となり、2分の1未満は12時間未満です。「断続的」というのは、雨が止んでいる時間帯があるということです。
曇り一時雨
雨がある時間帯に連続的に降り、その雨が降る時間の合計が予報期間の4分の1未満である場合に使います。予報期間は、明日の予報の場合は24時間となり、4分の1未満は6時間未満です。
曇のち雨
予報期間の前半が曇り、後半に雨となる場合に使います。
いろいろとややこしいですが、少しずつでも用語を理解していくと、天気予報の情報をより深く理解できるようになります。
まとめ
科学技術の進歩とともに天気予報の精度は向上しています。多くの人にとって天気予報は非常に重大で価値ある情報です。せっかくの情報ですのでその意味を正確に理解しましょう。
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