Apple Watch(アップルウォッチ)は、腕に装着するだけで消費カロリー(活動量)を計測することができる便利なスマートウォッチです。この機能を活用するためにApple Watchを購入する、健康管理の意識の高い人も多いようです。
Apple Watchによる消費カロリー計測とその精度、計測結果の表示と利用方法などについて紹介します。
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Apple Watchのアクティビティ・ワークアウトを使いこなす方法はこちらの記事で紹介しています!
Apple Watchによる消費カロリーの計測精度は高いの?
Apple Watchで消費カロリーの計測を始めると、気になるのが「計測される消費カロリーの精度」です。計測値は本当に正しいのでしょうか?
ウェアラブルデバイスが次々に登場し、ITを駆使してヘルスケアに役立てようというトレンドが生まれました。そのため多くのコンファレンスや展示会なども開催されています。
確か2016年頃だったと思うのですが、幕張メッセで開催されていた「ITを活用して病気になる人を減らす」ことをテーマとしたあるコンファレンスで、経済産業省の方が以下のように述べていました。
「手首にはめるタイプだけでなく、腰や身体のいろいろな部分に取り付けられるものを複数取り付け、消費カロリーを計測した結果、全て異なる計測結果となり、その差も大きかった」とのことです。
基本的には「計測結果は目安」と考えた方が良いでしょう。
簡単に消費カロリーを高精度で計測できるデバイスはない?
「計測結果は目安」と言うと、Apple Watchのことを悪く言っているように聞こえるかもしれません。しかし、そもそも人間の消費カロリーを高精度で計測することは簡単ではないわけです。
消費カロリーを高精度で計測することが最優先となり、病院や研究所の部屋の中で1日中過ごすようになってしまうと、何のためにApple Watchを使うのかよくわからなくなってしまいます。
つまり、Apple Watch以外の簡単なウエアラブルデバイスを装着して日常生活の消費エネルギーを計測しても、「計測結果は目安」というレベルで、他に高精度で計測できるものがあるわけではありません。
医学の臨床試験などになると、測定値の精度も必要となりますので、それなりの検証が必要のようです。しかし、「計測結果は目安」と言っても、ヘルスケア目的ならば目安でも問題ありません。
ヘルスケアには、運動による消費カロリーだけでなく、1日の総消費カロリーや食事による摂取カロリーの把握が必要となります。食事などによる摂取カロリーも、一般の人が正確に全ての食事について把握するのは不可能です。
しかし、ヘルスケアのためには、可能な範囲で大まかに把握し、それを数日間継続した時の体重・体脂肪、鏡に写した自分の身体を観察して見ることで、カロリーオーバーになっていないか分かります。
むしろ消費カロリーの計測値だけでなく、これらの身体のチェックと組み合わせることで、本当に健康的なヘルスケアが実践できるでしょう。
なおApple Watchによる消費カロリー計測の精度を向上させる方法については後述します。
Apple Watchによる消費カロリー計測結果の表示!iPhoneと同期
Apple Watchのアクティビティアプリで毎日の活動による消費カロリーが計測できます。当日の状況はApple Watchのアクティビティアプリのアイコンをタップすれば確認できます。
iPhoneと連携させていれば、iPhone側のアクティビティアプリでも以下のように表示し、確認できます。
通勤・通学をしている人ならば、駅まで歩く、駅の中を歩くなどによって、案外運動になっていることが確認できるでしょう。また昼休みに外に昼食を摂りに行く場合も、それなりに身体を動かしていることがあります。
iPhoneのヘルスケアアプリを使えば、運動によって消費したカロリー(アクティブエネルギー)だけでなく、安静時消費エネルギーも分かりますので、1日の総消費エネルギーを確認できます。また歩数が表示されることから、Apple Watchが歩数計(万歩計)としても使えることがわかります。
Apple Watchによる経路記録についてこちらの記事で紹介しています。
Apple Watchによる消費カロリー計算結果を活用して生活習慣改善!
前述のように1日の運動による消費カロリーと総消費カロリー、およびどの時間帯にどのようにしてカロリーを消費しているのかを把握できます。しかし、「生活習慣の改善」ということまで考えようとすると、ある程度の期間の運動の状況を調べてみる必要もあるでしょう。そんな時に便利なのが、一月毎のアクティビティの一覧です。
以下は、私の2月のアクティビティの一覧です。平日は通勤や職場で歩くことによって、それなりに身体を動かしてカロリーを消費していることが分かります(*もっとも外側の赤い円)。
しかし、土日は休みのため、消費カロリーが少なめです。それでも土曜日は週に1回テニススクールに通っているので、日曜よりは消費カロリーが多いです。
実は、数年前に職場の健康診断でメタボリックシンドローム予備軍と診断されました。当時は車通勤でほとんど歩かず、たまに駅の階段を登ると息が切れることがありました。そのため、テニススクールに通い始め、さらに電車通勤に変えたことで体力が付き、かなり健康的になりました。
それ以来、運動量と消費カロリーに注意するようになり、Apple Watchは強い味方になっています。赤い円で表されるアクティブエネルギーの目標値は、自分で設定を変更できますので、実際にその運動量を1週間程度達成した時の感覚から調整すると良いです。無闇に高い値に設定しても意味がありません。
例えば、運動不足の人が1週間程度ウォーキングをしてアクティブエネルギーの目標値を達成すると、体力が付いてくるのが実感できます。「以前よりも身体に力があり、身体を楽に動かせる」という「感覚」を大切にしましょう。
Apple Watchの安静時消費エネルギーについてこちらの記事で紹介しています。
Apple Watchの消費カロリーの計測精度を向上させる方法
Apple Watchはカロリーをどうやって計算しているの?
そもそもApple Watchでなぜ消費カロリーを計測できるのでしょうか?
Appleが公式にApple Watchによる消費カロリーの計算方法を公開していませんので、正確なことはわかりません。
技術的には、加速度センサー、GPS、心拍数を計測するセンサーなどを組み合わせて、消費カロリーを計算し、推測しています。
各種センサーからの情報をどのように用いて計算するのかは重要なノウハウです。Appleとしても計測精度を高める多くの研究開発努力をしていますので、簡単に説明できるほど単純なものではないはずです。
またApple Watchはウエアラブルコンピューターですので、内部に高性能のプロセッサーを搭載しています。これにより従来の活動量計よりも格段に高度なデータ処理ができるようになっていることは間違いありません。
これは考えてみればすごいことです。30年以上前ならば、個人の運動量を計測する道具といえば「万歩計(歩数計)」ぐらいしか見当たりませんでした(*世界で販売されているものをすべて調べたわけではありませんし、インターネットも今のように使えない時代ですので、あくまでも私が簡単に探してみた結果という意味です)。当時は、万歩計を愛用しましたが、これは単純なしくみで、万歩計に加わる振動から歩数をカウントしています。
そのため実際に歩いた時の歩数カウントだけでなく、椅子に座ったまま手で持って万歩計を振ってみてもカウントを増やせます。実際に歩く場合と、手だけ振ってカウントした場合では、消費カロリーが異なることは言うまでもありません。
つまり、Apple Watchでもこのような運動の違いをある程度判断できなければ、消費カロリーの計測誤差が大きくなり、精度が下がることが想像できます。前述のようにApple Watchでは、万歩計とは違って複数のセンサーを組み合わせて使用していますので、それだけでも精度が高いです。
さらに精度を向上させるためには、Apple Watchに正確な情報を伝えてあげることが必要になります。具体的には以下のようになります。
個人情報を最新にする
Apple Watchは入力された身長、体重、性別、年齢などの個人情報を、消費カロリーの計算に使用しています。これらを常に最新のデータにアップデートしましょう。
運動の情報をApple Watchに伝える
数分間ウォーキングをすると、自動的にワークアウトの計測が始まります。それは運動している時と運動していない時のApple Watchの計測モードが変わるということです。特に各種エクササイズをすると消費カロリーが増えますので、それをApple Watchにわかりやすく伝えてあげると計測精度が向上します。
一番のポイントは、数分でも運動する時はワークアウトアプリを起動し、もっともふさわしいメニューを選ぶことです。Apple Watchは前述のようなセンサーで状況を計測しますが、どのようなエクササイズであるのかの情報の有無で大きく精度が変わってしまうのは、万歩計の例をみても明らかです。
またウォーキングやランニングの時に、できるだけ自然にApple Watchを装着した腕を動かすことも重要です。よくあるのは、犬の散歩のようにリードをつかんだ腕にApple Watchを装着し、あまり動かさないと計測精度が低下します。
ワークアウトの選び方については下記でさらに詳しく紹介します。
Apple Watchをぴったりフィットさせる
Apple Watchを手首に装着する時に、ゆるく装着してしまうと、心拍数などの測定精度が低下します。ぴったりとフィットさせるようにしましょう。
Apple Watchを調整する
運動場や広い公園など、上空が開けた場所でワークアウトを起動し、ウォーキングあるいはランニングを選び、エクササイズします。Apple Watchは、GPSを使って位置計測し、歩幅のデータなどを取得します。そのため20分間一定の速度でエクササイズするようにします。これにより使用している人の計測精度が向上します。
Apple Watchの心拍数アプリの活用についてこちらの記事で紹介しています。
筋トレも測れる!消費カロリーの精度を上げるワークアウトの選び方
前述のようにApple Watchの消費カロリーの計測精度を向上させるには、エクササイズ内容に相応しいワークアウトの種類を選ぶことがポイントです。
Apple Watchのワークアウトメニューを見てピッタリのメニューがあればそれを選びましょう。
注意したいのは、ウォーキングやランニングなどでは「室内ウォーキング」「室内ランニング」というものがあることです。屋内でのウォーキングやランニングの場合はこれらを選びましょう。
また筋トレについてもワークアウトが用意されています。デフォルトで「機能的筋力トレーニング」があります。これはAppleの公式サイトでは以下のように説明されています。
上半身、下半身、または全身の動的筋力を鍛えるトレーニングをダンベル、チューブ、メディシンボールなどの小さな機器を使うか、まったく機器を使わずに行う場合は、「機能的筋力トレーニング」を選択します。
この他にワークアウトを追加することで「伝統的筋力トレーニング」が使えます。バーベルなどの負荷の大きい機器を使う筋トレはこちらを選ぶと良いでしょう。
適当なワークアウトがない場合は、「その他」を選びます。
Apple Watchで摂取カロリーはわかる?
ダイエットをしようとすると、摂取カロリーよりも総消費カロリーを少なくしなければなりませんので、摂取カロリーを把握したくなります。しかし、残念ながらApple Watchで摂取カロリーを計測することはできません。
摂取カロリーは、基本的には食べたり飲んだりしたものによりますので、アップルウォッチでどんなものをどれだけ食べたのか自動で計測することができない以上、どうすることもできないですね。
最近は、販売されている食品やレストランのメニューにカロリーが表示されていることが多いですので、これを確認するだけでもかなり把握できます。
それでもiPhoneで食事を撮影することで、自動でカロリー計算してくれる「カロミル」というアプリがあります。無料(アプリ内課金あり)のアプリですので、とりあえず試してみると良いでしょう。
さらに食品や食材ごとのカロリーを本で確認すれば、徐々にこれらを覚えて、おおよその摂取カロリーを把握できるようになるでしょう。
これはもう一つのメリットがあります。つまり、どんな食品・食材がどれぐらいのカロリーなのかを覚えることになりますので、自然に高カロリーの食品を賢く避けるようになるということです。
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上位モデルのApple Watch 10も発売!
Apple Watchのアクティビティ・ワークアウトを使いこなす方法はこちらの記事で紹介しています!
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