日本の魚の消費量は?種類は?自給率・漁獲量を増やすには?

魚を食べる

日本では食生活の欧米化が進み、肉食の比率も高くなりました。最近は生活習慣病の予防・改善のための健康志向で、魚食に注目する人が増えています。鯖缶ブームはその事例の1つです。DHAやEPAといった栄養素を積極的に摂ろうという意識高い系の人が鯖缶を買っています。

そんな魅力的な魚食ですが、日本の魚の消費量、漁獲量、自給率はどのようになっているのでしょうか?以下に紹介します。

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日本の魚の消費量は?

日本では「魚離れ」が進んでいると言われますが、実態はどのようになっているのでしょうか?

やはり、日本の1人当たりの魚介類の消費量は減り続けています。食用魚介類の1人1年当たりの消費量は、2001年度の40.2㎏をピークに減りつづけており、2016年度には24.6㎏となりました。15年間で約6割になっているので、約4割減ということです。

この原因としては、以下のような複数のことが指摘されています。

・切り身ではないサンマなどの魚は、家庭で調理する際に面倒で、まな板や手が生臭くなる、頭は尻尾などの食べない部分は、ゴミ回収日まで自宅で保管しなければならず、これがまた臭いの元になるなどの理由で敬遠されることが多い。

・世代別で見ると、若い世代ほど一人当たりの魚の消費量が少ないため、その食習慣が続くほど魚離れが進みやすい。

・高齢化が進み、人口比率的に大きな割合を占める高齢者は、そもそも若い世代よりも1人当たりの食事量が少ない。

・魚種によっては価格が上昇し、購入しにくくなっている。

・今後は人口減少が進み、魚介類のみならず、日本全体の食事量が減る可能性が高い。

どうやら日本の「魚離れ」は深刻なようですね。

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日本の魚の種類のどれが人気?

日本人の1人当たりの購入量が多い魚介類のトップ5は以下のようになっています。

【2017年】
第1位 サケ
第2位 マグロ
第3位 ブリ
第4位 エビ
第5位 イカ

これは以前とは変わっています。平成元年(1989年)には以下のような順位でした。

【1989年】
第1位 イカ
第2位 エビ
第3位 マグロ
第4位 サンマ
第5位 アジ

このように日本人が好んで食べる魚介類の種類も変わってきています。前述の魚離れの原因と合わせて考えてみても、切り身で購入して簡単においしく食べられる魚種が増えていることは納得できるでしょう。このことから考えても、家庭で食べやすい状態で販売することが、魚食を増やす1つの方法になるかもしれません。

インターネットの通販で魚を買うならば、冷凍された干物がおすすめです。賞味期限も長いので、送料無料になる量をまとめ買いして、冷凍庫に入れておくと便利です。そんな干物も「良いショップで買うこと」が重要です。おすすめのショップを、こちらの記事「ぴん太郎の干物を通販で買いました!美味しいです!便利です!」で紹介しています。
参考文献:平成29年度 水産白書


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日本の魚の自給率は?漁獲量は?

「魚離れ」が進む日本で、最も人気のある種類はサケです。しかし、日本で食べられているサケのほとんどがノルウェーやチリなどからの輸入によるものです。そうなると日本の魚介類の自給率も心配になってきます。

日本の魚介類の自給率は、1964年度の113%をピークに、その後、2000年ごろまで減り続け、それ以降は横ばい状態で推移し、2016年度には56%となっています。2016年度は2015年度くらべて3ポイント減少しており、これは国内生産量が減少していることによるためです。

漁業従事者の高齢化により、跡継ぎの問題も深刻になっています。人手不足などを補うためにICTの活用なども進められています。

日本の漁業・養殖業生産量は、1984年の1,282万トンをピークに、1995年頃まで急速に減少し、その後は2018年の436万トンまで緩やかな減少がが続いています。実に最盛期の34%にまで減少しています(66%減です)。

1984年から1995年ごろまでの急速な減少は、沖合漁業でのマイワシの漁獲量の大幅な減少によるもので、その主原因は海洋環境の変動によって資源量(マイワシなどの量)が減少したことによると考えられています。天然のものを獲るために、気候変動などの影響は避けられません。

北海道函館市でもスルメイカの不漁により、地元のスルメイカ漁業や関連産業が深刻な打撃を受けています。函館市では1968年には70万トンのスルメイカの漁獲量を誇りました。しかし、2018年度はピークから8割以上も落ち込む水準です。産卵場の水温低下や親イカの減少でスルメイカが減少していることが原因のようです。

世界的に見ても天然の漁獲量は少しずつ減少する傾向にあります。世界では日本と異なり魚介類の需要は増えており、増え続ける需要を満たすために養殖に力を入れています。日本でも積極的に資源を増やす養殖が重要で、日本人に人気の高いサケを国内で養殖する取り組みも進められています。宮城県の銀鮭、ニッスイが鳥取県境港市、新潟県佐渡市で完全養殖する銀鮭などが有名です。

 

漁業も売れなければ事業・産業として育ちません。大切な日本人の食糧ですので、国内産の養殖の魚介類を積極的に食べましょう!

魚の養殖は日本と世界でどうなっているの?

日本では多くの魚介類が食べられています。世界でも人口の増加とともに一人あたりの魚介類の消費量が増えて、世界全体の魚介類の消費量は増え続けています。これに応えるために魚介類の生産量が増えていますが、世界中で魚介類を獲る量が増えても大丈夫なのでしょうか?


世界中の魚介類の生産量が増えていますが、もちろん漁獲資源は有限です。海洋および内陸の河川等から穫れる魚介類の総量は、最近の20年で減少傾向にあります。魚介類の種類によっては、乱獲などによって資源量が維持できずに減少傾向にあるものもあり、国際的に水産資源を維持・管理する必要があります。

海洋および内陸の河川等から穫れる魚介類が減少しているにもかかわらず、最近の20年で魚介類の生産量を増やすことができているのは養殖によるものです。海で魚介類を養殖する海面養殖業、内陸で養殖される内水面養殖業による生産量が増え続け、総生産量に占める割合は半分弱程度までになっています。

天然の漁獲資源を大幅に増やすことが難しい現在の状況では、養殖による生産量の拡大に期待する部分が大きいです。日本では魚介類の生産量は減少し続けていますが、養殖業による生産量は安定しています。つまり、養殖の比率が高くなっています。

魚の養殖の日本の状況


日本の養殖(海面養殖業)による魚介類の総生産量の内、魚種別の割合はブリ41%、マダイ26%、カンパチ14%、クロマグロ6%、ふぐ類2%となっています。主な魚種の中で養殖の割合は、マダイ81%、ブリ類53%、クロマグロ68%、クルマエビ76%です。トラフグ、カンパチ、シマアジも、養殖の方が多いです。養殖業の生産量は、漁業総生産量の24%です(平成27年)。もはや養殖なしでは、日本の食卓は成り立たないですね。

日本の魚介類の自給率はこの20年間はほぼ横ばいで、約半分です。つまり、残りの半分は輸入しているわけです。今後は養殖業の重要性がますます高くなるでしょう。

魚の養殖は日本のどこで行っているの?


魚の養殖は日本のどこで行っているのでしょうか?宮城県の銀さけの養殖は有名ですが、それ以外はほとんど日本の南側で行われています。海水温が高い方が魚の成長するスピードが速いことがその理由です。

ヒラメのように陸上の養殖施設内で育てられているものもあります。海の無い都道府県でも養殖できますので、今後は陸上での養殖に取り組むところも増える可能性があります。

鳥取県では栽培漁業センターでマサバの陸上養殖にも取り組んでいるようです。魚種という点でも陸上養殖が増える可能性があるでしょう。海面養殖は波浪や荒天の影響を受けやすく、陸上で養殖ができるならばいろいろとメリットがありそうです。

養殖できる魚の種類は?

海に囲まれた日本では、昔からいろいろな種類の魚を食べる文化があります。特に食料自給率の低い日本では、水産資源は本当に貴重です。天然の水産資源にも限りがありますし、天候などの影響で漁獲高が少なくなることもあります。魚の養殖がますます重要ですね。現在はどのような種類の魚が養殖できるのでしょうか?その味や安全性はどうなのでしょうか?

魚好きの日本人の胃袋を満たすために、いろいろな種類の魚が養殖されています。その生産量のトップ5は以下のようになっています。

1.ブリ・ハマチ
2.マダイ
3.カンパチ
4.クロマグロ
5.トラフグ

美味しくて、商品価値が高そうな人気の魚がズラリと並んでいますね。これ以外にも以下のような魚が養殖されています。

ヒラメ、シマアジ、マアジ、ヒラマサ、イシダイ、クルマエビ、カワハギ、メバル、カサゴ、クロダイ、クロソイ、スズキ、チダイ、イサキ、オオニベ、メジナ、マサバ、マハタ、クエ

一般的な養殖は、小規模な生簀(いけす)に稚魚を入れるところからスタートします。完全養殖していないほとんどの魚については、自然界などから稚魚を獲ってきます。

小規模な生簀内でエサを食べさせ、大きく育ってきたら、ほとんどの場合は会場などに作られたもっと大きな生簀に移します。海水の温度が高い方が魚の成長が速いため、日本の南の方に海面養殖業が集中しています。

*参考:一般社団法人全国海水養魚協会のサイト

養殖した魚は美味しいの?

魚は、死亡してから適切に処理し、温度等を適切に管理した状態で保存をしなければ、時間とともに急速に鮮度が落ち、味も落ちます。したがって、養殖魚あるいは天然魚にかかわらず、適切に処理・保存されていることが大前提です。

その上で、養殖魚は天然魚と比べて美味しいのでしょうか?

一概には言い難いのですが、明らかなことは、養殖魚は栄養のバランスを考えた餌が計画的に与えられ、管理された狭い生簀の中で育てられていますので、十分に脂が乗っています。前述の多くの魚種において、ある程度以上は脂が乗っている方が美味しく感じるでしょう。また養殖の研究開発も多大な努力を注いで進められてきましたので、美味しくなるような栄養素を考えて餌を作っています。

天然魚は、天候等の影響で味も変わりますし、個体差も大きいでしょう。中にも身が締まっていて美味しいこともあると思いますが、養殖魚の味は安定していてバラツキも少ないでしょう。

養殖した魚は安全なの?

養殖した魚は食品として安全なのでしょうか?

まずアニサキスなどの寄生虫という点においては養殖魚の方が安全度が高いです。養殖魚も、前述のように稚魚を自然界から獲ってくることが多く、その際に混入するリスクがゼロではないのですが、天然魚比べると格段に少ないです。天然魚は、広い海を自由に泳ぎ回り、いろいろなものを食べていますので、寄生虫がいる可能性が高いです。

養殖魚の餌は、生の餌を与えることは少なく、原料から加工し、ペレット化したものを適量与えています。したがって、病原菌などが混入する可能性は低く、天然魚よりも安全性が高いでしょう。

魚も生物ですので、ウイルスや細菌によって病気になることがあります。病気になってしまった魚を薬品で治療しようとすると、その薬品が残留してしまうリスクがあります。そのため養殖では、魚由来のウイルスや細菌を不活性化したものを成分とし、特定の病気を予防するワクチンを摂取することが行われています。この方法ならば抗生物質などが残留する心配が無いので安全性が高いです。

まとめ

魚介類の世界および日本の生産量と消費量、漁獲量、自給率、養殖業の状況について簡単に紹介しました。世界の人々に魚介類を提供していくためには、養殖がますます重要となります。

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