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有機ELテレビと液晶テレビの価格が下がっている!将来はどうなる?

投稿日:2019年12月21日 更新日:

有機ELテレビや液晶テレビの価格は、年々下がる傾向があります。これまでの歴史を振り返っても、価格下落が続いていましたが、上位機種の性能向上や機能の追加などによってある程度販売価格の下落するスピードを遅らせていました。しかし、最近の価格下落は、テレビメーカーの業界を大きく変えてしまう状況にまで達している可能性があります。以下に紹介しています。

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液晶テレビの価格下落は限界レベルか?

世界で初めて大型の液晶テレビ「アクオス」の販売を始めたシャープは、台湾の鴻海の参加に入り、東芝のテレビ事業は中国のハイセンスに買収されました。これらのことから考えても、日本のテレビメーカーが苦境に陥ったことはわかります。そんな苦境を乗り越えて、ソニーとパナソニックはテレビ事業を続けてきました。

しかし、液晶テレビの性能・機能が成熟し、差別化が難しくなり、価格競争がますます激しくなり、パナソニックのテレビ事業は赤字基調が続いています。そしてついにパナソニックは「自社で開発・生産するのは上位機種のみに絞る」との方針を表明しました。ボリュームゾーンの下位機種は、他社との協業で補完していくとのことです。

その背景にあるのは、中国勢による需給関係を無視した液晶パネルの大増産です。中国政府の巨額の資金援助を受けての大増産であり、コスト競争力が高く、極めて安い価格で販売しているため、韓国勢も苦境に追い込まれています。さらに中国のテレビメーカーが、安い液晶パネルを用いてテレビを製造しますので、最終製品であるテレビの価格も急速に低下しています。

パナソニックの品田正弘常務執行役員のコメントによれば、「誰ももうかっていない、変な業界になっている」という状況です。液晶テレビの価格下落は、限界レベルに到達しているようです。

液晶テレビの価格が下がることは、一般の消費者にとって良い部分もあります。しかし、それにより日本のテレビメーカーが開発・生産から撤退していくことになると、経済への影響やテレビという製品の進歩という点でデメリットも出てくるでしょう。

有機ELテレビの価格下落も進んでいる

前述のように中国勢による液晶パネルとテレビの大増産が、液晶テレビ事業を利益の出せない事業にしてしまいました。一方、テレビ用の有機ELパネルは、韓国のLGがほぼ独占的に生産・供給している状況です。現時点ではテレビメーカー各社の要求量を十分に供給できない状況が続いています。それでもLGはテレビ用有機EL事業で赤字です。それは有機ELパネルの低コスト化のスピードを速くするため、価格を下げ、販売数量を増やし、工場の稼働率を高く維持しているためです。

その背景には、量産効果で低コスト化するスピードが遅ければ、短期間で中国勢にキャッチアップされるという脅威を感じているからです。そのため黒字化するよりも、さらに投資して中国に新しい工場を建設し、コストダウンを進めようとしています。

有機ELテレビの価格下落が進んでいますが、このような業界動向からさらに価格下落が進んでいくことはほぼ確実です。パナソニックやソニーなどの日本のテレビメーカーは、利益の出しやすい上位機種に注力していきますので、国内販売のテレビに占める有機ELテレビの比率はさらに高くなっていくでしょう。

韓国LGは有機ELにリソースを集中していくことを表明していますし、サムスンも有機ELをベースとしたQD-OLEDに注力していくことを表明しています。これは液晶テレビと比べて優れているという理由ではなく、中国勢が液晶パネル・テレビを大増産するため、何らかの方法で差別化しないと利益が出せないことが最大の理由でしょう。


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将来のテレビはどうなる?

今から10年程度前にも、中国勢の参入により、液晶パネル・テレビの価格が下がっていくことは予想されていました。有機ELパネル・テレビの価格も下がることが予想されていましたが、それでも液晶に比べると無視できないほど高いので、液晶を脅かす存在にはならないという予想があったように思います。現時点でも数量でみれば圧倒的に液晶が多く、価格も液晶の方がずっと低いのでそれほど予想は外れていません。

しかし、少し予想と異なるのは、価格競争力があって数量も出る液晶が、利益の出せない事業となってしまっていることです。決して有機ELに負けて利益が出なくなったり、数量が減少したわけではありません。中国政府の巨額の援助を受けた中国勢が、想定を上回る大増産をして事業を壊してしまったと言えます。中国勢でさえ利益が出せない水準になっていると言われています。中国勢の赤字が続くようであれば、多少価格が戻ることがあるのか、動向を注視したいです。

今後5年程度は、明らかに韓国勢は有機ELに注力していきます。LGが必死に有機ELパネルの価格を下げる取り組みを続けてきましたので、販売数量が伸びる程度の価格になっています。日本メーカーと韓国メーカーの上位機種は有機ELテレビ、下位機種は中国勢による液晶テレビという状況になっていくと予想されます。

有機ELパネル事業といえば、日本の最後の砦であるJOLEDが石川県能美市で印刷方式による量産ラインを2019年11月から稼働させました。JOLEDは中型の有機ELパネル生産に絞りますが、材料・製造装置とセットで技術のライセンスを希望するメーカーに行っていく戦略を表明しています。リスクの大きな大型パネル生産には自ら乗り出さないということです。

印刷方式による有機ELパネル生産および得られる有機ELパネル・ディスプレイには、蒸着方式に比べてメリットがあります。このメリットが十分に発揮できれば、日本勢が将来の有機EL市場で主導権を握れる可能性があるかもしれません。

まとめ

有機ELテレビと液晶テレビの価格が急速に下がっていることと、その背景および将来動向について解説しました。年々有機ELテレビの販売台数が伸びていくことはほぼ間違いないでしょう。

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