てんとう虫は、小さく、丸く、カラフルなデザインの昆虫です。ハチのように人間を襲うこともありませんし、怖がったり、嫌ったりする方は少ないのではないでしょうか?
おもちゃやマスコット、イラストなどで可愛らしくデザインされることも多いです。
そんなてんとう虫でも、多数集まっているところを思いがけず発見すると、びっくりしますね。てんとう虫の巣があるのでしょうか?以下に紹介します。
てんとう虫の巣はあるの?
鳥やハチが巣を作ることはよく知られています。適当な場所を選んで、そこを自分の居場所として作る、いわゆる「巣」というものを、てんとう虫は作りません。つまり、てんとう虫の巣は無いということになります。
それでもてんとう虫が多数集まっているところを見たことがある方もいらっしゃるでしょう。あれは巣ではないのでしょうか?
実はてんとう虫は、ある時期になると多数集合し、あまり動かなくなる習性があります。
これはそれぞれのてんとう虫が巣を作って、その中にこもっているのではなく、木の皮や葉の裏側などに集まっているだけであるので、「てんとう虫の巣」とは言わないわけです。
てんとう虫をよく見ると、カラフルで可愛いのですが、さすがに多数集まっていると不気味に感じるかもしれません。
てんとう虫はなぜ多数集まるのか?
それにしてもなぜてんとう虫はたくさん集まることがあるのでしょうか?
通常は、てんとう虫はそれほど多数集結することはなく、以下の写真のように単独行動をして活動しています。
つまり、てんとう虫が多数集まるのは越冬するためです。したがって、気温が低くなる時期に多数集まりやすくなります。
自然界では、枯れ葉の下、落ちた木の皮の下、大きめの石・岩の下などが、直接寒風にさらされないので好まれます。
住宅やコンクリートなどの人工物の周辺に隠れられるような場所があると、そこにてんとう虫が集結することもあります。これを偶然発見してしまうと、多数のてんとう虫にびっくりしてしまう方もいらっしゃいます。
てんとう虫を駆除する方法・対策は?
自宅などにてんとう虫が多数集まってしまい、そのまま放置するわけにもいかず、駆除しようとした場合はどのようにすればよいのでしょうか?
もっとも簡単な方法は、殺虫剤で駆除する方法です。カメムシ用の殺虫剤が有効です。
網戸や壁面などの比較的広い範囲に散布することができ、上記の商品の場合は1〜2週間程度予防効果が持続します。
殺虫剤などの薬品を使用したくない場合は、ガムテームなどを使って捕殺すると良いでしょう。寒くて動きが鈍く、多数集結しているので、比較的簡単に捕まえられます。
てんとう虫が多数集まっているということは、その場所がてんとう虫にとって好まれるような条件が揃っている可能性が高く、1回駆除してもまた集まってくる可能性があります。駆除した後も再度集まってこないか観察してみましょう。
再度集まってしまう場合は、殺虫剤よりは毒性が低く、長期間虫を寄せ付けない効果が持続する忌避剤を使うと良いでしょう。以下の商品の場合は2〜3ヶ月効果が持続します。
もちろんてんとう虫が集まる前から予防的に使うことも可能です。
てんとう虫は害虫?益虫?
てんとう虫にもいろいろな種類があります。実は日本だけでも約180種類が確認されていますので、その全てをここで説明することはできません。
一般的に「てんとう虫」と言われた時にイメージする以下の写真のようなてんとう虫は、「益虫」と考えて良いでしょう。
農業で栽培するいろいろな野菜にアブラムシが発生して困ることがありますが、これをてんとう虫が食べてくれるので「益虫」ということになります。
成虫のてんとう虫は、1日にアブラムシを100匹ぐらい食べると言われています。ある程度の数のてんとう虫がいれば、野菜を守ってくれますね。
したがって、てんとう虫が好きではないからといって無闇に駆除しすぎると、生態系のバランスが崩れて好ましくないことになります。
また草食性のてんとう虫は、植物を食べてしまうため、農作物に被害が出ることもあり、「害虫」とされることがあります。これでも駆除し過ぎると生態系のバランスが崩れるという点では同じです。
もっとも、自宅周辺に集まったてんとう虫を駆除する程度であれば、それほど心配するほどでもないでしょう。
てんとう虫は越冬する?卵は?
てんとう虫は、ほとんどが年に2化以上することが知られています。
「年に2化」というのは、1年の間に2世代が経過することを言います。つまり、越冬したてんとう虫は、暖かくなると活動を再開し、産卵します。この卵から生まれた世代は6月頃には成虫になります。
てんとう虫の餌になるアブラムシは、気温が27℃以上になると減少するため、真夏の暑い時期はてんとう虫は休眠状態になり、気温が下がる秋から活動を再開します。これが産卵し、10〜11月に新しい成虫が誕生し、それが越冬します。
少々ややくこしなりましたが、整理をすると、6月頃に誕生した成虫は越冬せず、10〜11月誕生した成虫は越冬するということです。
卵は1回に数十個程度産み、1匹が合計200〜1000個程度産みます。自然界の仕組みとして、生態系の下位にいる生物はたくさん子供を産みますね。
てんとう虫は縁起が良いの?
英語では「ladybird」と呼ばれ、聖母マリアに由来するとされています。特にヨーロッパでは「幸運を呼ぶ昆虫」とされています。
つまり、多くの国で縁起が良い昆虫とされています。
ハチのように直接人間を攻撃したりしませんので、てんとう虫を見かけたら「縁起が良い」と思っておくと気分が良いでしょう。
実際、てんとう虫は、前述のように寒くなると越冬し、気温が高くなりすぎる真夏は休眠しますので、私達がてんとう虫を見かけるような時は気候的にも気持ちが良い時期がほとんどとなります。
そんな時にてんとう虫を見かけたら、気分が良いですね!
まとめ
てんとう虫が多数集まっているのを発見してビックリしてしまうことがありますので、てんとう虫について紹介しました。市街地に住んでいると自然を感じにくくなりますが、案外身近にてんとう虫が住んでいることに気がつくことがありますね。自然を大切にしましょう。
ツバメの巣を作らせる方法についてこちらの記事で紹介しています。
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