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マイクロLEDテレビはいつ発売される?価格は?サムスンが大幅値下げ!ソニーは?有機ELとの違いは?

マイクロLEDテレビはいつ発売4Kテレビ・ビデオ

次世代のディスプレイの本命として注目されているマイクロLEDディスプレイ。世界中で活発な研究開発が進められていますが、一般の消費者向けの製品、例えばマイクロLEDテレビとして発売されるのはいつなのでしょうか?将来は普及するのでしょうか?

実は、すでにサムスン(Samsung)から2021年に約1,600万円のテレビとして発売されています。さすがに高価すぎて、一般の消費者向けではありません。しかし、10年以内には数十万円以下の価格で販売されそうです!

現時点での最先端の技術を搭載したテレビが欲しい方は、サムスンのQD-OLEDパネルを搭載したソニー(SONY)のA95Kがおすすめです!これを買って、買い替え時期になる頃に、マイクロLEDテレビが手の届く値段で発売されるでしょう!


さらに詳しく解説します!

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マイクロLEDテレビはいつ発売される?

マイクロLEDとマイクロLEDディスプレイとは?

マイクロLEDとは、簡単にいうとLED(発光ダイオード light emitting diode)を小さくしたものです。一般に、発光する部分が100ミクロン(=0.1mm)以下のサイズのものです。

この小さなLEDを敷き詰めて、画像が表示できるようにしたものが「マイクロLEDディスプレイ」です。

液晶ディスプレイや有機EL(OLED)ディスプレイでも、多くの画素が並べられていて、画素を正しく発光させたり、消したり、明るさを調節することで画像が表示されますが、その一つ一つの画素が小さなLED素子からなっているわけです。

通常のディスプレイでは、赤・青・緑の画素(サブピクセル)を近接して並べて一つの画素(ピクセル)を形成しています。マイクロLEDの場合も、赤・青・緑のLED素子を並べて一つの画素を形成します。

マイクロLEDディスプレイの特徴は?

マイクロLEDを使用したディスプレイは、ソニーが米国ラスベガスで開催された「2012 International CES」において「Crystal LED Display」として初めて参考展示しました。

これは55型でフルHD解像度(1920×1080ピクセル)のディスプレイで、つまり横方向と縦方向にそれぞれ1920個、1080個の画素分のLED素子を並べたものです。赤・青・緑のサブピクセルで考えればその3倍の個数です。

この展示で高コントラスト、広色域、高速動画応答性能、広視野角の理想的なディスプレイであることが実証され、ディスプレイ業界に衝撃を与えました。

液晶ディスプレイは、有機ELディスプレイに比べるとコントラストが低く、原理的に高速動画応答性能も劣ります。有機ELディスプレイは、液晶ディスプレイに比べると寿命が短く、輝度を高くすると焼き付きが起こりやすいという特徴があります。

このように液晶ディスプレイと有機ELディスプレイは長所・短所があるのですが、マイクロLEDディスプレイには短所と呼べるようなディスプレイの性能面での欠点が見当たりません。

耐久性の高い無機物質からなるLED素子でできているので、LED照明と同様に寿命が長く、応答性も高く、コントラストも極限に近いほど高いです。発光するLED素子を直接見ることになるので、視野角も広く、偏光板などの光を半減させる光学フィルムも必要とせず、最も高効率です。液晶ディスプレイもOLEDディスプレイも偏光板で約半分の光を失っているからです。

このような特徴を、ディスプレイ業界の専門家・関係者であれば構造・原理を聞いただけですぐに理解できますし、実際、それがソニーの展示によって実証されましたので、業界に衝撃を与えたわけです。

つまり、「マイクロLEDディスプレイが本格的に普及したら、液晶ディスプレイもOLEDディスプレイも駆逐されてしまうのではないか?」という脅威を多くの人が感じました。

マイクロLEDディスプレイは、表示画面を構成する1つ1つの画素が微小なLEDとなっている方式のディスプレイのことです。

マイクロLEDテレビの実用化は?

2016年5月にソニーが業務用の大型マイクロLEDディスプレイ(*テレビではなく、サイネージや主に業務に用いる大型ディスプレイ。イベントスペースや自動車デザインのために実物大で映す用途で用いられている)を発売してから、ディスプレイ分野で大きな注目を集めるようになり、複数の企業により活発な研究開発が進められています。

サムスンはすぐに追随し、さらにマイクロLEDテレビの研究開発を進め、2021年第1四半期より本格的に発売開始しました。価格は1億7,000万ウォン(日本円で約1,600万円)です。

このようにマイクロLEDテレビはすでに発売されているのですが、さすがに値段が約1,600万円もするテレビを、一般の消費者が通常のテレビのように購入することはできません。つまり、一般の消費者向けの民生用テレビの実用化はこれからです。

将来のことを正確に予測することは誰にもできませんが、現時点で確認できている情報からは、10年以内には民生用のマイクロLEDテレビが発売されると推測されます(*予測が外れる可能性はありますので、一切責任は負えません)。

そして徐々に普及していくと期待されます。

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マイクロLEDテレビの価格は?マストランスファーは?

サムスンのマイクロLEDテレビの価格は?

前述のようにサムスンのマイクロLEDテレビの価格は、2021年時点で約1,600万円です。非常に高額ですが、この価格で発売できていることが将来への期待を持たせてくれます。

なぜならシャープが初めて8Kディスプレイ(業務用モニター)を発売した時の価格が1,600万円で、その後、5〜6年で一般の消費者でも手が届くような数十万円程度の製品が発売されているからです。

シャープは2015年10月30日に業務用の85型の8K液晶ディスプレイ「LV-85001」を実売価格1,600万円で発売しました。2017年6月30日に業務用の70型の8K液晶ディスプレイ「LV-70002」を800万円、2018年12月1日に世界初の8K対応液晶テレビ「AQUOS 8K LC-70X500」を約100万円で発売しています。

以下のショップの8Kテレビの価格を見ると、驚くほど安くなっています!


マイクロLEDテレビと8K液晶テレビでは、部材構成もコスト構造も異なりますが、十分参考になるでしょう。なぜなら、すでにここまでのコストダウン・価格下落のスピードが、液晶や有機ELよりも速いことが明らかになっているためです。

これは、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイの産業のこれまでの発展の過程で、すでに開発済みのさまざまな技術・製造装置などで流用できるものがあることもその要因と考えられます。

マイクロLEDテレビのコストダウンの努力をしているのは、最終製品を販売するテレビメーカーだけではなく、マイクロLED素子などの部品や組立工程などの研究開発に取り組む企業も複数あります。つまり、業界全体で多額の研究開発投資をして、猛烈にコストダウンを進めているわけです。

2022年の年初に米国ラスベガスで開催されたCES2022において、サムスンはマイクロLEDテレビの作製工程の中のMass Transfer(マストランスファー)のスピードを従来の1,500倍にしたと発表しました。

一般的には、RGB(赤色・緑色・青色)のそれぞれのマイクロLEDを別の基板上で作製します。それらから1つ1つのマイクロLED素子を切り出し、ピックアップしてディスプレイパネル上の所定の位置に取り付けます。このマイクロLED素子を移す工程をMass Transfer(マストランスファー)と呼んでいます。

言葉で書き表すと単純で簡単なのですが、問題はそのマイクロLED素子の個数と取り付け位置精度です。4Kテレビは、画素が約800万個あり、1つの画素がRGBのサブピクセルで構成されているので、マイクロLEDの個数としては800万個✕3=2,400万個という膨大な個数となります。

そもそもマイクロLEDの大きさが0.05mm以下であることが多いので、その取り付け位置精度はさらにその数分の1以下でしょう。

このMass Transferに膨大な時間がかかり、コストアップの主な原因の1つなっています。初期の頃は、1台の4Kディスプレイパネルを作製するのに数年かかる状態で、とても製品化できない状況でした。

しかし、業界として多大な研究開発努力を続けた結果、年々効率が向上し、少なくともサムスンが1,600万円で発売できるところまで来たわけです。そしてそのスピードを1,500倍に向上できたと発表されましたので、2022年内に少なくとも価格は大きく下がりそうな気がします。

2022年8月10日時点の情報では、サムスンが89インチの4KマイクロLEDテレビを約$80,000(=約1,080万円)で発売するとのことです。為替レートが大きく変動していることと、2021年はウォンベースで価格が発表されていて、現時点の情報は米ドルなので比較しにくいですが、前述のシャープ8Kテレビの価格下落に類似したペースで下がっていきそうです。

マイクロLEDテレビの価格はなぜ下がる?

マイクロLEDテレビは、今後も様々な改良が進められていきますが、基本的には実現できていて、製造コストを下げることが当面の課題です。

この分野全体でコストダウンのための研究開発投資が続く限り、製造コストは下がり、価格低下が進んでいくと期待されます。価格が低下して販売台数が伸び、売上・利益が増え、さらに価格低下が進むというサイクルに入ることが起こるでしょう。

そのためには業界で研究開発投資が継続されることが必要なのですが、コロナ禍でも研究開発投資は衰えず、活発に進められています。その大きな理由は、ディスプレイの専門家がマイクロディスプレイのことを「現在の技術で実現できる究極のディスプレイ」と考えているためです。

画素ごとに微小なLED素子を配列させるという、誰でも仕組みを理解できるようなシンプルな構造で、液晶ディスプレイのような偏光板を用いないため効率が高く、有機ELディスプレイのような焼き付きや劣化の懸念が無いため高耐久性・高輝度を実現できます。

また半導体素子は、大量生産すると桁違いに量産効果で価格を下がる可能性があることも魅力です。

本格的に普及するまでにはまだ時間がかかりますが、この分野の研究開発投資が続く限りは徐々に年々価格が下がり、販売台数は長期では伸びていくと予想されます。

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SONYはマイクロLEDディスプレイを大型ディスプレイとして事業化

「2012 International CES」でのソニーの衝撃のマイクロLEDディスプレイの展示以降、しばらくはマイクロLEDディスプレイの話題は影を潜めていました。フルHDでも1920×1080ピクセル、4Kならばその4倍、8Kならばその16倍の画素が必要で、その膨大な個数の小さなLEDを作り、並べる製造工程に膨大なコストがかかることに多くの人が気がついたからです。

「これほど液晶ディスプレイの価格が下がったのに、そんなに製造コストのかかるディスプレイは、どんなに性能が高くても普及しないだろう」と多くの人が考えました。

ところがソニーは研究開発を続け、2016年5月にマイクロLEDディスプレイ技術を使った大型のディスプレイ「CLEDIS」(クレディス)を発表しました。

これは403×453mm、解像度は320×360ピクセルのディスプレイユニットを配列させて、大型のディスプレイを作るというコンセプトのシステムです。144個並べれば横9.7m、縦2.7mの巨大な8K2Kディスプレイを作ることができます。

2017年から発売を開始し、価格は220型の4K×2Kシステムで約1.2億円と言われています。ディスプレイ事業を長年リストラしてきたソニーが新たに立ち上げた事業ですので、この価格で利益が出ると思われます。

実はこのような大型のディスプレイは、業務用途で需要があり、通常はスクリーンに大型プロジェクターで投影するタイプです。そのシステムもかなり高額と思われますが、プロジェクターに比べるとLEDディスプレイは圧倒的に画質が良く、明るく、また小さなディスプレイユニットを搬入して現場で組み立てられるという点も大きな長所です。大型のプレート状のスクリーンでは、搬入経路で大きさが制限されてしまうからです。

ソニーが開発したこのシステムは、米国の映画撮影のスタジオなどで利用されています。プロジェクターでスクリーンに投影した映像に比べると、ミニLED素子そのものが点灯するところを直接目で見ることになるので、最大輝度を高くすることができます。その結果、かなり実物に近いような「リアル」な映像を表示できることになり、かつ非常に大型であるため、映画撮影時の背景用のスクリーンとして理想的なディスプレイとなるわけです。

コロナ禍で、いろいろな場所に行ってロケを行うことが難しくなっていますので、スタジオで世界中(あるいは架空)の風景を映して、その前で俳優が演技してあたかもロケで撮影したような映像が作れれば非常に便利なわけです。予算も大幅に節約できますし、多忙な有名俳優のスケジュール調整も容易になります。

このようにソニーは、無理してマイクロLEDテレビを作ろうとするのではなく、業務用で高い利益率が得られる商品に特化しています。

マイクロLEDディスプレイと有機ELの違い・構造

マイクロLEDと有機ELはどちらもLED

電圧をかけると電流が流れ、発光する半導体が「発光ダイオード」です。発光ダイオードを英語ではLight Emitting Diodeと言い、その略号がLEDです。

「発光ダイオード」Wikipedia によれば、以下のように赤、緑、青のLEDが発明されています。

1962年、ニック・ホロニアックにより発明された。発明当時は赤色のみだった。1972年にジョージ・クラフォードによって黄緑色LEDが発明された。1990年代初め、赤崎勇、天野浩、中村修二らによって、窒化ガリウムによる青色LEDの半導体が発明された。

通常、単に「LED」と言う場合は、無機化合物の半導体から成るものを指します。マイクロLEDはその名の通り「小さなLED」で、それを画素として並べてマイクロLEDディスプレイが作製されます。

ある種の物質に電圧をかけて電流を流すと発光する現象のことを「エレクトロルミネッセンス Electroluminescence」と言い、特に有機化合物から成る発光ダイオードの発光のことを、有機エレクトロルミネッセンス Organic Electro-Luminescenceと言います。

そのため日本では有機化合物からなる発光ダイオードのことを慣習的に有機ELと呼んでいます。海外では有機ELのことをOrganic Light Emitting Diode (OLED)と呼ぶのが普通です。

つまり、マイクロLEDディスプレイと有機ELはどちらもLEDなんです。

マイクロLEDディスプレイと有機ELディスプレイの構造

テレビ、スマホ、パソコンなどに搭載されている発光して画像を表示するディスプレイは、原理的には細かな画素を並べて、それらを点滅あるいは調光して画像を形成します。一つ一つの画素(ピクセル)は、赤・緑・青に光るサブ画素(サブピクセル)から成っています。

赤・緑・青の光を混ぜると白色になること、混ぜ合わせる比率を調整することで様々な色を作り出せることは、「光の混色(加法混色)」として知られ、赤・緑・青を光の三原色と呼ばれていることはご存知かと思います。

三原色で発光するマイクロLEDを画素として敷き詰めたものがマイクロLEDディスプレイで、有機ELを同様に敷き詰めたもので有機ELディスプレイです。

現在、市販されている有機ELディスプレイの構造は、大別すると2つのタイプに分けられます。一つ目はiPhone Xに搭載されているような、三原色のサブピクセルを塗り分けることによって製造されているものです。もう一つは大型テレビに搭載されているような、三原色の層を積み重ねて白色に発光させ、その上に三原色のサブピクセルに相当する位置にカラーフィルターを形成したものです。


ちなみに三原色の層を積み重ねて白色に発光するようにした有機ELは、そのまま白色照明としても利用されています。

マイクロLEDディスプレイと有機ELの違い

ここまでに述べてきましたように、マイクロLEDディスプレイと有機ELはいずれもLEDであり、似たような性質を持っています。実際、三原色を塗り分けたタイプの有機ELディスプレイは、原理的にはマイクロLEDディスプレイと呼んでも良いように思います。

しかし、ディスプレイの分野では決して有機ELディスプレイのことをマイクロLEDディスプレイとは呼びません。あくまでも無機化合物から形成されている小さな発光ダイオードから作られたものをマイクロLEDと呼びます。前述のように単に「LED」と言えば無機化合物の発光ダイオードを意味することと同じです。

有機ELディスプレイのことを「マイクロLEDディスプレイと呼んではいけない」と誰かが指示していると言う話は聞いたことはありませんが、以下のような理由が推測されます。

1.有機ELディスプレイはすでに本格的な普及期に入っており、これまで有機EL(英語でOLED)と呼んでいたものを別の呼び方に変更すると混乱が生じる。

2.次世代のディスプレイとしてマイクロLEDディスプレイを研究開発をしている人々にとっては、「全く新しいディスプレイ」としてアピールしたいですし、実際、性能も全く違う。

3.単に「LED」と言えば無機化合物から成る発光ダイオードを意味する。

ディスプレイとしての有機ELの最大のウィークポイントは、有機化合物であるために明るく発光させると劣化しやすく、寿命が短く成ることです。そのため明るさ(輝度)を抑えめにする、同じ画像を長時間表示し続けないなどの配慮が必要となります。

ところがマイクロLEDディスプレイはそのようなウィークポイントはありません。照明に使われるLEDが長寿命であ理、明るい(輝度が高い)ことからもわかりますように、高輝度・高コントラスト・長寿命の究極のディスプレイとなると期待されています。

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