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有機EL基板用ポリイミドはワニスとフィルムがある?

投稿日:2019年2月11日 更新日:

有機ELがスマートホンやテレビなど使われ、急速に普及し始めています。有機ELの基板には従来はガラスが使用されていましたが、スマートホン用などからポリイミドの基板が使用され始めています。ポリイミド基板はワニスとして供給されることが主流ですが、フィルムとしての供給も始まるようです。以下に紹介します。

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有機EL基板用ポリイミドはワニスとフィルムがある?

ポリイミドは耐熱性と寸法安定性に優れるポリマーですが、不溶不融であるため工業的な成形加工がし難いポリマーです。そのため基板状に成形するためには、ワニスと呼ばれるポリイミドの前駆体を含んだ溶液を平滑な基板上に広げ、加熱してイミド化反応を進め、残存する溶媒等と除去します。最後に基板から得られたフィルム状のポリイミドを剥がします。

有機ELの基板としてポリイミドフィルムを使用するためには、フィルムの表面の粗さが少なく平滑であること、ダストなどの異物がほとんどないことなどの厳しい要求があります。これらをクリアするために、純度の高いポリイミドのワニスを、有機ELパネルメーカーがその製造工程内で使用し、前述の工程で製造する方法が採用されています。

しかし、この方法は、すでにガラス基板を使用して有機ELパネルを製造しているメーカー(あるいは生産ライン)から見ると、前述の工程を行うための設備を追加しないとポリイミド基板に代替できないことを意味します。したがって、多くのディスプレイ部材のように、高品質のポリイミドフィルムを供給してくれるメーカーがあれば、パネルメーカーにもメリットがあるということになります。もちろん、ポリイミドフィルムを有機ELパネルの生産ライン中で基板として使用するために、新たな設備の導入が全く無いわけではないですが、前述のワニスから作る場合に比べれば通常は軽微なものとなります。

有機EL基板になぜポリイミドが使用されるのか?

そもそもなぜポリイミド基板がガラス基板の代替として使用されるのでしょうか?

まず現状では軽量化・薄型化のメリットが大きいでしょう。サムスンのスマホ用有機ELパネルの基板にポリイミド基板が利用されていますが、スマホではこれらのメリットが重要です。

将来的にもっとも注目されているのは、曲げられるという特性です。薄型のガラス基板でも曲げられるものはありますが、曲げた時の曲率の限界や繰り返し曲げられる回数、曲げやすさという点ではやはりポリイミド基板の方が上でしょう。現時点ではまだ画面を大きく繰り返し曲げるような製品は普及していませんが、近い将来にフォルダブルスマホなどとして登場する可能性が高いです。

上記のメリットを狙うだけならばポリイミド以外のポリマー(プラスチック)基板でも良いように思いますが、有機EL基板にはTFT(薄膜トランジスタ)を形成する必要があり、TFTの製造工程で約500℃の高温に耐えられることが必須となります。さらに室温から500℃まで加熱し、その後再度室温まで冷却しますが、その間の熱膨張などによる体積変化もある程度以下する必要があります(*この特性は通常は線膨張係数で表します)。この高い耐熱性と極めて低い線膨張係数をいずれも満足するポリマーは、現在知られているものではポリイミドだけです。

以上の理由から有機EL基板にはポリイミドが選ばれています。


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有機EL基板用ポリイミドフィルムを供給する注目メーカーは?

スマホ用の有機ELパネルは、韓国Samsungのほぼ独占です。Samsungへは、宇部興産の合弁会社であるSUマテリアルスがポリイミドのワニスを供給しています。韓国LGにはカネカがポリイミドを供給しています。

現在、注目されているのが東洋紡の東洋紡の「ゼノマックス®」です。室温から500℃まで熱膨張係数が約3ppm/℃と一定で、ポリマーフィルムとして世界最高レベルの寸法安定性を有しています。長瀬産業株式会社と東洋紡の合弁により、高耐熱性ポリイミドフィルム「ゼノマックス®」の生産・販売会社「ゼノマックスジャパン株式会社を2018年4月2日に設立し、事業を展開しています。

まとめ

有機EL用基板として普及が進むポリイミドについて、ワニスとフィルムについて紹介しました。これまで日本メーカーが培ってきた高いポリマーの技術が花開いています。

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