4K・8K・ディスプレイ

有機ELテレビと液晶テレビの比較 買うならどっちがいい?

投稿日:2017年11月23日 更新日:

液晶テレビの価格下落のスピードは速く、多くの日本のテレビを販売する電機メーカーは苦境に陥りました。それは製品としてはかなり成熟してきたことを意味します。

実際、初めてシャープの液晶テレビ「アクオス」が登場した時の画質と比べると、ハイビジョン化し、さらには4Kのテレビが登場し、驚くほど美しい画質になりました。最近は有機ELテレビも登場し、徐々に価格も下がってきています。

今、テレビを買うならば有機ELと液晶テレビのどちらが良いのでしょうか?

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有機ELテレビ・スマホと焼き付きなどについて解説!

有機ELテレビと液晶テレビの比較

最近のテレビは、インターネット接続機能があり、いわゆるテレビ放送だけでなく、YouTubeやウェブサイトを楽しむことができます。しかし、ここではテレビとしてもっとも重要な画質について考えてみたいと思います。

画質を決定する要素はいくつかあります。具体的には、「精細度」「応答速度」「コントラスト」「色域(表示可能な色数)」などが基本的な要素です。さらに現在のテレビでは、「視野角」「アップコンバート」「反射防止」などの性能も重要になります。

1.精細度(画素数)

精細度は画面の画素数です。これはバラバラなわけではなく、ハイビジョン、4K、8Kなどの規格が定められています。8Kのテレビはシャープから2017年12月に世界で初めて発売されましたが、まだ製品の種類も少なく、高価ですので、特殊なテレビと言って良いでしょう。

主流のテレビとしては、4Kテレビがもっとも高画質で、ほとんどの人が購入を考えるならば8Kではなく4Kでしょう。4Kは画素数が3840×2160ですので、4Kテレビであれば有機ELテレビと液晶テレビで差はありません。

2.応答速度

テレビは、通常、毎秒60コマ(フレーム)の画面を作り、動画表示しています。60コマでは残像感があるため、ハイエンドのテレビでは毎秒 120コマを表示する「倍速駆動」になっています。有機ELはそもそもの特性としては、液晶テレビよりも高速応答できる特徴があります。しかし、同じ倍速駆動であれば、有機ELと液晶テレビの応答速度は同等と考えて良いでしょう。実際、毎秒60コマでは違和感あるのですが、ほとんどの動画は倍速駆動ならばほとんど違和感なく楽しめます。

3.コントラスト

コントラストとは、「白を表示した時の明るさと黒を表示した時の明るさの比」のことです。有機ELは「黒の締まりが良い」ということで有名です。実際、家電量販店で実物を見ればすぐに分かりますが、黒が本当に真っ黒に見えます。これは画像を表示する上では非常にメリットがある特性です。したがって、コントラストでは液晶テレビは有機ELにかないません。

しかし、有機ELテレビは自発光方式であるため焼き付きを起こしやすく、白表示時の明るさを液晶テレビに比べると抑え目にしないといけないという制約があります。映画館のように部屋を暗くするのではなく、ある程度以上明るい照明下でテレビを見る場合は、明るさを制限しないといけないことがデメリットになることもあります。画面に明るい照明からの外光が映り込みやすく、「黒」を表示しても表面での反射があるために真っ暗に見えないことが多くなります。このような環境下では、有機ELテレビと液晶テレビのコントラストの差が小さくなります。

4.色域(表示可能な色数)

色域を拡大する努力が各社で進められていて、本当に日進月歩です。製品ごとの差もありますので一言では言い難いのですが、高性能なもの同士を比較した場合は、液晶ディスプレイに軍配が上がります。色域の違いは、色域が異なるテレビを並べて比較するとすぐに分かるのですが、単体で見た場合は少々分かり難いです。

色域に関しては、現在は過渡期です。映像はカメラ等によって映像信号として記録され、それをテレビで再生して視聴することができます。現在の地デジの映像信号では色域が狭く、テレビ上で色域を拡大していて表示するというややこしいことをしています。

例えば深く鮮やかなエメラルドグリーンの場合、カメラで撮影して映像信号として記録すると、そのままの色で記録することができず、もっと白っぽい鮮やかではないエメラルドグリーンとして記録されてしまいます。色域の広いテレビではこの映像信号から本来の深く鮮やかなエメラルドグリーンに近づけて表示します。このようにCG(コンピューターグラフィック)的な画像処理をしなければなりません。

4K/8K放送が始まれば、初めから広い色域で記録された映像信号が利用できますので、そのままテレビに表示できるようになります。

5.視野角

視野角は、斜め方向でどこまで画像が見られるかという角度を表しています。しかし、正面と斜めで見た時の色の変化(カラーシフト)という特性も重要となります。有機ELテレビは視野角は広いのですが、ボトムエミッション方式では正面と斜めのカラーシフトが大きいという特徴があります。

液晶テレビの場合、IPSではこの正面と斜めのカラーシフトは小さく、VAではカラーシフトが比較的大きいです。しかし、VAはコントラストがIPSよりも優れています。極端に斜め方向から見ない使い方ならば、VAのカラーシフトはそれほど気にならないこともあります。

6.アップコンバート

現在、多くの映像信号がハイビジョンですので、これを4Kテレビで表示する場合はアップコンバートしています。これは画像エンジンによる信号処理ですので、有機ELテレビと液晶テレビの差というよりは、メーカー・製品による差(画像エンジンによる差)となります。実物を見て好みのものを選びましょう。

7.反射防止

家電量販店のテレビ売り場で見ると分かりますが、部屋の照明が画面に映り込みます。反射防止の処理にコストをかけている製品ほど映り込みが少なく、画面が見やすいです。

以上、主なチェックポイントについて紹介しました。

(*有機ELテレビと液晶テレビの消費電力の比較については、こちらの記事「液晶と有機ELの消費電力を比較!どっちが高い?」をご覧ください)

有機ELテレビと液晶テレビの比較:ソニーのブラビアの場合

最近は日本の主要なテレビメーカーでも、有機ELテレビをラインアップに加えています。ソニーのブラビアについて見てみましょう。

ソニーのブラビアでは、Z9Dシリーズが液晶テレビのハイエンドの製品で「ソニーのテレビ史上最高画質モデル」と紹介されています。有機ELテレビはA1シリーズとして、液晶テレビのヒエラルキーとは別系統として位置づけられています。

つまり、最高画質のテレビは液晶テレビで、価格的にも割高な有機ELテレビは、違う価値(新しい没入体験)を提供する別のテレビとして販売されています。これが現状ではないかと思います。

(*2019年夏モデルについては、こちらの記事「有機ELと液晶はソニーのブラビアならばどれを選ぶ?」で紹介しています。パナソニックのビエラについては、こちらの記事「有機ELと液晶はパナソニックのビエラならばどれを選ぶ?」に、東芝のレグザについては、こちらの記事「有機ELと液晶は東芝のレグザならばどれを選ぶ?」に紹介しています)

(*8K液晶ディスプレイと8K有機ELテレビについては、こちらの記事「8Kテレビは有機ELと液晶のどっち?LGとサムスンも参入!」をご覧ください)


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有機ELテレビと液晶テレビ 買うならどっちがいい?

それではテレビを買うならば有機ELテレビと液晶テレビのどちらが良いでしょうか?

まず有機ELテレビについては、日本のテレビメーカー、韓国のLGなどの製品を見ると分かりますが、まだ機種・インチサイズのバリエーションが少なく、選択肢が限られています。

例えばソニーならば、77インチ、65インチ、55インチです。ソニーストアでは、77インチの有機ELテレビの価格は250万円+消費税、65インチが699,880+消費税、55インチが419,880円+消費税です(2017年11月18日現在)。ほとんどの家庭ではサイズが大き過ぎ、価格も高いでしょう。これらの大型サイズにちょうど良い広い部屋と購入する余裕のある人しか対象にならなそうです。

液晶テレビの場合、ソニーの55インチ(KJ-55X9000E)では実売価格19万円程度(消費税込)ですし、もう少しコンパクトな49インチ(KJ-49X9000E)ならば実売価格15万円程度(消費税込)です。サイズ・機能・メーカー(ブランド)についても選択肢が多いです。

もう一つ気になるのは、有機ELテレビの画面の焼き付きについてです。原理的には自発光の有機ELでは必ず画面の焼き付きが起こります。問題なのは、通常の使い方をしていて何年ぐらい画質の低下を気にせずに使えるかということ(*有機ELテレビの焼き付きについては、こちらの記事「有機ELテレビは焼き付きが起こるのか?対策は?保証は?」をご覧ください。有機ELテレビの寿命については、こちらの記事「有機ELテレビの寿命は大丈夫なの?何年使えるか調べてみた!」をご覧ください。)。

かつてのブラウン管のテレビも自発光方式でしたので、何年も使っていると蛍光体が劣化し、画質が悪くなりました。プラズマテレビも同様でした。今は液晶テレビが主流なので、これと比べてどうかということが重要でしょう。

何年使えるかは、1日のテレビの使用時間とテレビをどれぐらいの明るさで使っているかによって変わってきますので、一概に言えません。

液晶テレビの場合、自発光方式ではなく、光源としてはLEDを使用していますので、LEDの寿命程度は持ちます。しかし、デジタル製品の特徴として、ある日突然画面が映らなくなることがあります。実際、私が使っていた液晶テレビも8年ぐらいで突然死しました。それでも4Kテレビが安くなっていたので、新しいものに買い換えることはそれほど嫌ではありませんでした。

パソコンを10年以上同じものを使うことが珍しいように、テレビも進歩が激しく、10年以上使うことは少ないようです。多くの耐久家電製品が10年が一つの目安であることを考えると、有機ELテレビも10年間使って問題なければ画面の焼き付きも許容範囲ということになるでしょう。しかし、それはある程度ユーザーの評価結果が報告されないと確認できないようです。

以上のことを考えると、現状では以下のようになるのではないでしょうか?

1.55インチよりも小さいサイズのテレビを求めるならば液晶テレビ。

2.価格的に安くてお買い得なものを求めるならば液晶テレビ。

3.55インチ以上で、画面の焼き付きのリスクがあっても、これまでとは異なる新しいテレビを求めるならば有機ELテレビ。

 (*有機ELテレビについてはこちらの記事「有機ELテレビのおすすめは?ソニー、パナソニック、東芝、LGを比較」をご覧ください)

まとめ

有機ELテレビと液晶テレビ、どちらも魅力的なテレビです。性能と価格面から紹介しました。しかし、突き詰めれば好きな方を選べば良いでしょう。その場合も、それぞれの特徴を理解した上で選べば後悔しないでしょう。

有機ELテレビと液晶テレビの比較については、こちらの記事「有機ELと液晶はどっちがいい?徹底比較のまとめ!」をご覧ください。

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